京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院 京都市上京区
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一般内科

生活習慣病

生活習慣病とは、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義されていて、偏った食生活や運動不足、ストレス、喫煙など、毎日の好ましくない生活習慣の積み重ねによって引き起こされる病気の総称です。

糖尿病、脂質異常症、高血圧は、かかっている人、その疑いのある人が多いことから、3大疾患といわれています。このほか、高尿酸血症、心筋梗塞、狭心症、脳卒中、がん、腎臓病、肝臓病、骨粗しょう症、歯周病なども生活習慣病に入ります。生活習慣病のなかで、内臓脂肪蓄積型肥満、脂質異常症、高血圧、糖尿病の4つは、とくに「メタボリックシンドローム」と呼ばれ、これらの要素が複数合併すると、それぞれが軽症でも動脈硬化が加速され、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まってきます。

生活習慣病

メタボリックシンドローム

診断基準は、必須項目となる内臓脂肪蓄積(内臓脂肪面積100平方cm以上)のマーカーとして、ウエスト周囲径が男性で85cm、女性で90cm以上を「要注意」とし、その中で ①血清脂質異常(トリグリセリド値150mg/dl以上、またはHDLコレステロール値40mg/dl未満) ②血圧高値(最高血圧130mmHg以上、または最低血圧85mmHg以上) ③高血糖(空腹時血糖値110mg/dl) の3項目のうち2つ以上を有する場合をメタボリックシンドロームと診断する、と規定しています。

メタボリックシンドローム・生活習慣病の元凶は内臓脂肪であり、運動と食生活が、内臓脂肪を減らす最大のポイントです。
それを受け、厚生労働省では、「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後に薬」 というスローガンを掲げています。
通常体重が1kg減ると腹囲は1cm減ります。日本肥満学会ではメタリックシンドロームの方を対象に、運動と食事によって、まずは3kgの減量、 3cmのウエスト減を目指しましょう、という「サンサン運動」が提唱されています。

糖尿病

糖尿病は生活習慣が関与する2型糖尿病と、ウイルス感染や免疫異常で起こる1型糖尿病に分けられますが、95%以上は2型糖尿病です。血糖を下げるホルモンはすい臓から分泌されるインスリンがありますが、内臓脂肪が増えるとインスリンの働きが悪くなります。
すい臓は頑張ってインスリンを過剰に産生しますが、やがて疲弊しインスリン分泌が低下したことで血糖値が上昇し糖尿病を発症します。また、空腹時の血糖値が正常だからといって安心はできません。

体質的に食後のインスリンの出方が悪い方は、空腹時は正常でも食後に急激な血糖値の上昇が見られます。食後高血糖の方は空腹時に高血糖を認める方より動脈硬化を進行させます。
空腹時の血糖値100mg/dl以上、HbA1c 5.2%以上の方は今後糖尿病に移行する可能性がありませので、定期的に検査を受け放置しないように注意が必要です。

また現在糖尿病の方は、神経障害、網膜症、腎症を中心とした様々な合併症に注意が必要です。将来、網膜症が進行し失明したり、腎不全になって透析を受けたりしないように日ごろから自己管理を行ってください。さらに、糖尿病の方は癌のリスクも高くなりますので、定期的な超音波やカメラの検査を必ず受けるようにしましょう。

脂質異常症

脂質異常症とはLDL(悪玉)コレステロール値が高い、中性脂肪値が高い、HDL(善玉)コレステロール値が低い、いずれかの症状をいいます。内臓脂肪が増えるメタボリックシンドロームでは、中性脂肪値が高くなり、HDLコレステロール値が低下します。中性脂肪が溜まるとLDLコレステロールが血管壁へ取り込まれるようになり、動脈硬化が進みます。高血圧、糖尿病、脳梗塞や心筋梗塞といったリスクのある方は、LDLコレステロールを標準よりもさらに低く下げる必要があります。

コレステロールや中性脂肪を下げるには、卵、ベーコン、ウインナー、霜降り肉など動物性脂肪を減らし、魚、納豆、豆腐などのおかずをふやします。また、野菜、海藻、きのこなどの繊維分をとると体外に排泄されやすくなります。運動しながらの減量はさらに効果的です。子供なら清涼飲料水やお菓子、女性なら果物やケーキ、男性はアルコールの摂取をセーブする必要があります。

高血圧症

血圧が高いと動脈硬化を促進するだけでなく、血管を傷つけて脳梗塞をひき起こす誘因になります。また、脳梗塞だけでなく脳出血、くも膜下出血の原因にもなります。日本高血圧学会では140/90 mmHg以上を高血圧、130/85mmHg以上を正常高血圧としています。最高血圧と最低血圧の差を脈圧といいますが、高齢者など動脈硬化が進むと血管の弾力性が損なわれ脈圧が大きくなります。

血圧は1日の中で変動がありますので、朝起きて1回、夜寝る前の2回程度測定してください。特に早朝の血圧は心筋梗塞や脳卒中が起きやすい時間帯でもあり重要となります。また、糖尿病や腎機能障害などの合併症のある方は目標値が変わりますのでご注意下さい。

高尿酸血症

生活習慣の欧米化、飲酒の増加に伴い、高尿酸血症が増加しています。尿酸は7mg/dl未満では血液に溶けますが、それ以上になると溶けないで白く濁ります。冷やすと溶けていたものが析出することより、足先や耳たぶなど温度の低いところで溜まります。それが炎症を起こし腫れて熱を持ちます。これが痛風発作で、激痛ですが通常1週間ぐらいで自然におさまります。腎臓にも結石ができやすくなり、尿管や膀胱、尿道に落ちて激痛を起こすことがあります。

がん

正常な細胞を突然がん細胞に変異させてしまう原因には、発がん性物質の存在が確認されています。これらの物質を作り出す原因は、環境、遺伝、ウィルスやストレスなどの要因もありますが、多くは食生活や喫煙などの生活習慣に深く関係しています。
最近では無症状のうちに定期健診で発見される事が多いので、日頃の健康状態に心配なくても定期的な検診を受ける事ががんの早期発見につながります。

脳卒中

脳卒中には血管が詰まる脳梗塞、血管が破れる脳内出血、脳動脈瘤が破裂するくも膜下出血がありあます。現在1番増加しているのは脳梗塞です。脳梗塞には高血圧が原因で小さな血管が詰まるラクナ梗塞、大きな血管が詰まるアテローム梗塞、不整脈が原因で血栓がとんで詰まる脳塞栓に大別できます。

生活習慣病の増加とともに急増しているのが、LDLコレステロールが血管壁に溜まって血液の流れが悪くなるアテローム梗塞です。この中にはかなりの割合で糖尿病やその予備軍が含まれており、普段から糖尿病のチェックが重要となります。したがって脳梗塞を防ぐには、血圧や脂質、血糖のコントロールを良好に保ち、喫煙をやめ、動脈硬化の進行を抑えることしかありません。

動脈硬化

動脈の壁にコレステロールなどの脂肪が溜まり、血管壁が厚く硬くなる状態を動脈硬化といいます。血管壁が厚くなった結果、血管が細くなりやがて詰まったり、血栓ができて飛んでいったりすると心筋梗塞や脳卒中が起こります。多くの生活習慣病との関連は深く、生活習慣病の治療は、動脈硬化をいかに抑えるかというところにつながっています。

当院では新しい動脈硬化の指標である、心臓足首血管指数(CAVI)測定器を導入しております。これにより動脈硬化の程度、血管年齢をとても簡単にチェックすることができるようになります。生活習慣病のある方、お酒、タバコの多い方は一度お受けになってみてはいかがでしょうか。(検査時間10分弱、費用は3割負担で400円程度です)

また動脈硬化が進んでいる方は、頚動脈エコー検査(要予約)で実際の血管の壁に肥厚やプラークがあるか調べます。

心筋梗塞・狭心症

心臓に血液を供給する冠動脈の動脈硬化により血液の流れが途絶えると、心臓の細胞(心筋)が壊死に陥り心臓の動きが低下し、非常に危険な状況になります。これを心筋梗塞といいます。また壊死までは起こらなくても、血管が細くなったりけいれんしたりして血液のめぐりが悪くなり、胸痛が起きる状態を狭心症といいます。生活習慣病をお持ちの方、胸痛の起きる方は心電図、CT、血管造影などの精査が必要となります。

生活習慣病治療

生活習慣病はその名の通り、毎日の生活習慣が原因ですので薬をお飲んでいただくのと並行して、生活習慣を見直してもらうことから始めます。見直す生活習慣としては4つがあげられます。

見直す生活習慣

1.バランスのよい食事
2.適度な運動
3.ストレスをためない
4.禁煙、過度のアルコールを控える

生活習慣病というと、一生薬を飲み続けなければならない病気と考えておられる方が多いですが、生活習慣を見直していけば薬を飲まなくてもよくなる方もいらっしゃいます。ただし、治ったからといって不規則な生活をすればまた薬を飲まなければいけなくなりますので、規則正しい生活を続けるのが一番の治療です。

風邪症候群

『風邪』は医学的には『風邪症候群』といわれます。その80%以上はウイルス感染が原因ですが、一部に細菌が関与するといわれています。インフルエンザは症状が強いこと、感染力の強さ、二次感染の多さから風邪症候群とは区別されています。風邪症候群では鼻水、のどの痛み、咳、発熱、倦怠感といった症状がよく見られますが、通常は1週間以内に自然治癒します。細菌による二次感染が疑われるとき、高齢者、肺及び循環器系に慢性の病気がある人、糖尿病、腎不全、免疫不全を有する人、妊娠などのハイリスクの人には抗生剤を使用しますが、通常抗生剤は必要ありませんし、使いすぎもよくありません。

インフルエンザ

季節性インフルエンザとしてA(H1N1)(A香港)とA(H3N2)(Aソ連)の2つの型が流行を繰り返していますが、この2つ以外のA型インフルエンザが2009年に流行した新型インフルエンザということになります。
症状は高熱、寒気、呼吸器症状(咳、のどの痛み、鼻水)、関節痛、全身倦怠感などです。迅速診断キットはA型とB型とを区別するだけなので、A型は季節性か新型かを区別することはできませんが、治療はどのタイプでも一緒なので大きな問題にはなりません。
ただし、発症24時間以内だと迅速検査で陰性になることもありますので、乳幼児や妊婦、基礎疾患を持った高齢者などには積極的に抗インフルエンザ薬による治療を行います。

肺炎

肺炎は健康な大人にも起こりますが、高齢者や基礎疾患を有する人で起こると重症化することもある怖い病気です。原因となる菌は肺炎球菌が最も多く検出され、次いでインフルエンザ菌、マイコプラズマ、クラミジアとなっています。抗生剤の効きにくい耐性菌の出現や、肺炎球菌やレジオネラでは重症化することも多く注意が必要です。症状は発熱、咳、膿を含んだ痰、胸痛、呼吸困難などです。重症度判定を行い、軽症の場合は外来治療、中等症は外来または入院、重症は入院して治療を行います。

前立腺肥大症

前立腺は膀胱に接して尿道を取り囲むように存在する大きさ3~4cm程度の臓器です。男性の方で尿が出にくい、残尿感がる、夜間に1から2回ぐらいはトイレに行くなどの症状がある方は前立腺肥大症の疑いがあります。腹部エコー検査で前立腺のおおよその大きさを測定することもできます。血液検査でPSAを測定し、高値であれば前立腺がんの疑いもあるため、専門の病院で詳しい検査を受けていただきます。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

COPDはタバコが原因で肺に炎症が起こり、空気の通り道である気道が狭くなる病気です。空気の出し入れが難しくなり、息がしにくくなります。咳や痰の症状が続けば「慢性気管支炎」、炎症が進んで肺胞が壊れてしまった状態を「肺気腫」といい、この2つがもとになって「COPD」になります。COPD患者さんの90%以上に喫煙歴があるので、別名「タバコ肺」とも呼ばれています。

COPDは昔は治療法の無い病気とされていましたが、最近では予防や治療が可能な病気と位置づけられるようになりました。気道を広げて呼吸機能を改善する薬物療法、呼吸筋や全身の機能を改善する運動療法などがあります。

治療の第1歩はもちろん「禁煙」です。COPDでは禁煙をし、治療を開始するのが早ければ早いほど、肺機能の低下が緩やかになります。

骨粗鬆症

骨粗鬆症

骨の強度の低下により骨折しやすくなる高齢者の病気です。骨密度が若い人の平均の70%以下に低下した場合や、70〜80%でも過度のアルコール摂取がある場合、喫煙者、家族に大腿骨の骨折をした方がいれば骨粗鬆症と診断し、お薬の治療を開始します。特に女性の方は閉経後エストロゲンという女性ホルモンが低下するために骨粗鬆症になる割合が多く、高齢になってからの骨折は寝たきり生活を余儀なくされることもあることから、早めの検査と治療を受ける必要があります。

予防接種

定期接種

  • 肺炎球菌ワクチン
    平成26年10月より定期接種となり、京都市では4,000円の負担で接種可能です。
    5年に一度の接種になりますので、該当する年齢をご確認ください。
  • また厚労省からもQ&Aが出ていますので、より詳しく知りたい方は参考になさってください。

任意接種

  • 麻疹ワクチン
  • 風疹ワクチン
  • MR(麻疹・風疹)ワクチン
  • おたふくかぜワクチン
  • 水痘ワクチン
    (50歳以上を対象に帯状疱疹予防に適応拡大されました)
  • B型肝炎ワクチン
    (4週間隔で2回、更に20~24週を経過したのちに1回、合計3回の接種が必要です)
  • インフルエンザワクチン
    (毎年流行に合わせワクチンの中身が変わりますので、11月前後に毎年接種が必要です)