吉岡医院では、火曜日と金曜日に糖尿病・内分泌内科の専門外来を行っております。
患者様一人ひとりの体質・生活習慣・合併症の有無を踏まえて、生活指導・薬物治療を行っております。糖尿病については、予防から診断・治療、生活指導まで、一人ひとりのライフスタイルや合併症リスクを踏まえたきめ細やかなサポートを行っております。
健診で「糖尿病がある」「コレステロール・血圧が高い」と言われた方、家族に心臓病の既往がある方などは、早めのご相談をおすすめいたします。
※専門外来は火曜日、金曜日午前診のみです。
生活習慣病とは?
生活習慣病とは、「食事、運動、睡眠、喫煙、飲酒など、日々の生活習慣がその発症や進行に深く関与する疾患の総称」です。
不規則な食生活、運動不足、慢性的なストレス、喫煙や過度の飲酒といった望ましくない生活習慣が、長年にわたって積み重なることで発症リスクが高まります。
代表的な生活習慣病には、糖尿病・脂質異常症・高血圧の「三大疾患」があり、いずれも自覚症状が乏しいまま進行することが多いため、早期発見と継続的な管理が重要です。

さらに、高尿酸血症(痛風)、心筋梗塞・狭心症などの虚血性心疾患、脳卒中、慢性腎臓病(CKD)、脂肪肝・肝硬変、骨粗しょう症、歯周病なども、生活習慣病に含まれます。
中でも、内臓脂肪型肥満・脂質異常症・高血圧・糖尿病の4つの要素が重なった状態は「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」と呼ばれています。
この状態では、それぞれが軽度であっても動脈硬化の進行が早まり、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な疾患の発症リスクが大きく高まることが分かっています。
生活習慣病は「予防できる病気」です。
適切な食事、無理のない運動習慣、質のよい睡眠、禁煙、節酒といった日々の積み重ねが、将来の健康を大きく左右します。
当院では、生活習慣病の早期発見・予防から治療まで、一人ひとりのライフスタイルに合わせたきめ細やかな対応を心がけております。
メタボリックシンドローム
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)とは、内臓脂肪の蓄積に加え、血糖・脂質・血圧のうち複数の異常が重なった状態を指し、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中など、命に関わる疾患のリスクが高まることが知られています。
現在の診断基準では、まず以下の必須項目に該当するかを確認します。
- 男性:85cm以上
- 女性:90cm以上
これは内臓脂肪面積100㎠以上の目安とされており、内臓脂肪の蓄積を反映する指標です。
加えて、以下の3つの項目のうち2つ以上が該当する場合、メタボリックシンドロームと診断されます。
- 脂質異常
- 中性脂肪(トリグリセリド)150mg/dL以上
- HDLコレステロール40mg/dL未満
- 高血圧
- 収縮期血圧130mmHg以上 または
- 拡張期血圧85mmHg以上
- 高血糖
- 空腹時血糖値110mg/dL以上
このように、内臓脂肪を中心とした代謝異常が重なることで、動脈硬化が加速し、心血管系の病気に進展しやすくなります。
予防と改善には「生活習慣の見直し」が第一歩
メタボリックシンドロームの最大の原因は、内臓脂肪の蓄積です。
これを減らすためには、薬に頼る前に「運動」と「食事」の改善が最も効果的であることが明らかになっています。
厚生労働省では以下のスローガンを掲げています。
「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後に薬」
これは、生活習慣の見直しがすべての基本であることを示すものです。
糖尿病
糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高くなる病気です。
血糖は本来、私たちの体にとって大切なエネルギー源ですが、必要以上に高い状態が続くと、血管や神経が障害され、目・腎臓・神経・心臓・脳などに深刻な合併症を引き起こす可能性があります。
糖尿病には主に以下のタイプがあります。
- 1型糖尿病
自己免疫によって膵臓のインスリン分泌細胞が破壊され、インスリンがほとんど分泌されなくなるタイプ。
小児や若年者に多くみられます。 - 2型糖尿病(生活習慣病型)
日本人に最も多く、生活習慣(食べ過ぎ・運動不足・肥満など)が大きく関係します。
インスリンの効きが悪くなったり、分泌量が不足したりすることで発症します。 - 妊娠糖尿病・その他の糖尿病
妊娠中に初めて発見される血糖異常や、遺伝・薬剤・病気などが原因の特殊なタイプもあります。
糖尿病の診断基準(抜粋)
以下のいずれかに該当する場合、糖尿病と診断されます(複数回の検査での確認が必要です)。
- 空腹時血糖値:126mg/dL以上
- 75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)2時間値:200mg/dL以上
- 随時血糖値:200mg/dL以上
- HbA1c(過去1〜2ヶ月の平均血糖値の指標):6.5%以上
糖尿病が引き起こす主な合併症
- 網膜症(失明の原因にも)
- 腎症(人工透析が必要になることも)
- 神経障害(しびれ、足の感覚低下など)
- 動脈硬化(心筋梗塞・脳梗塞のリスク上昇)
- 感染症や歯周病のリスク増加 など
治療と予防の基本
糖尿病は自覚症状が少ないまま進行することが多いため、早期発見・早期対応がとても重要です。
治療の柱は以下の3つです。
-
食事療法
栄養バランスの取れた食事、適正なエネルギー摂取を心がけます。 -
運動療法
有酸素運動を中心に、習慣的な運動が血糖コントロールに効果的です。 -
薬物療法
飲み薬(経口血糖降下薬)やインスリン注射などを、個々の状態に応じて使用します。
また、定期的な血糖・HbA1cの測定、合併症のチェックも欠かせません。
高血圧症
高血圧症とは、血圧が慢性的に正常より高い状態が続く病気です。
日本では成人の約2人に1人が高血圧とされており、まさに「国民病」といえるほど身近な疾患です。
高血圧そのものには自覚症状がほとんどありませんが、長い間放置すると動脈硬化が進行し、心臓や脳、腎臓などの重要な臓器に深刻な障害を及ぼすことがあります。
高血圧の診断基準(家庭血圧を含む)
現在の診断基準は以下のとおりです。
- 診察室血圧
収縮期血圧(上の血圧):140mmHg以上
または
拡張期血圧(下の血圧):90mmHg以上 - 家庭血圧(朝・晩に安静時で測定)
収縮期:135mmHg以上
または
拡張期:85mmHg以上
※高血圧と診断された場合でも、どの程度リスクが高いか(他の病気や年齢との兼ね合い)によって治療方針は異なります。
高血圧の原因
高血圧の多く(約90%)は本態性高血圧と呼ばれ、明確な原因はないものの、以下のような生活習慣が大きく関係しています。
- 塩分のとりすぎ
- 肥満
- 運動不足
- ストレス
- 飲酒・喫煙
- 遺伝的体質 など
また、腎臓・副腎の病気やホルモン異常など、原因が明確なものは「二次性高血圧」と呼ばれます。
放置すると起こる合併症
高血圧が続くと、血管に強い圧力がかかり続け、以下のような疾患を引き起こすリスクが高まります。
- 心臓の病気:心肥大、心不全、狭心症、心筋梗塞など
- 脳の病気:脳出血、脳梗塞、認知症のリスク増加
- 腎臓病:慢性腎臓病(CKD)、腎機能の低下
- 眼の障害:網膜症、視力障害 など
治療と予防の基本
高血圧の治療では、まず生活習慣の改善が最も重要です。
主な対策:
- 減塩(1日6g未満を目標に)
- 適正体重の維持(BMI25未満)
- 有酸素運動(ウォーキングなど週150分程度)
- 節酒・禁煙
- ストレス管理・十分な睡眠
これらに加えて、必要な場合には降圧薬(血圧を下げる薬)による治療を行います。
最近では、患者様のリスクや体質に応じて副作用が少ない薬も多く使用されています。
脂質異常症
脂質異常症(ししついじょうしょう)とは、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が慢性的に異常な値を示す状態のことです。
以前は「高脂血症」と呼ばれていましたが、善玉コレステロール(HDL)が低いケースもあるため、現在では「脂質異常症」という名称が使われています。
この病気は自覚症状がほとんどないまま進行し、気づかないうちに動脈硬化(血管の老化・詰まり)が進み、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気を引き起こすリスクが高まります。
脂質異常症の原因
多くは生活習慣の乱れが原因です。
- 高脂肪・高カロリーの食生活
- 運動不足
- 肥満(特に内臓脂肪型)
- 喫煙・過度の飲酒
- 遺伝的要因(家族性高コレステロール血症など)
また、糖尿病や甲状腺機能低下症など、ほかの病気に伴って発症することもあります。
放っておくとどうなる?
脂質異常症が長く続くと、血管の内側に脂肪がたまり、動脈硬化が進行します。
その結果、以下のような重大な病気につながるリスクがあります。
- 心筋梗塞・狭心症(冠動脈疾患)
- 脳梗塞・脳出血
- 閉塞性動脈硬化症(足の血流障害) など
治療と予防の基本
脂質異常症の治療では、まず生活習慣の見直しが基本となります。
主な対策:
- 食事改善
・脂肪(特に飽和脂肪酸)の摂取を控える
・野菜・魚・食物繊維を積極的にとる
・過剰な糖質やアルコールを控える - 運動習慣の確立
・週150分程度の有酸素運動が推奨されています - 適正体重の維持
- 禁煙
必要に応じて、スタチン系薬剤などの脂質降下薬を使用し、コレステロール値をしっかりコントロールしていきます。
動脈硬化
動脈硬化(どうみゃくこうか)とは、血管の内側がかたく・せまくなってしまう状態のことです。
血液が流れにくくなり、心臓や脳、腎臓などに十分な血液が届かなくなることで、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気を引き起こす原因になります。
原因と進行の仕組み
動脈硬化は、以下のような要因で少しずつ進んでいきます:
- 高血圧:血管に強い圧力がかかり、傷つきやすくなる
- 高血糖(糖尿病):血管の内側が傷みやすくなる
- 脂質異常症:悪玉コレステロールが血管にたまりやすくなる
- 喫煙・肥満・運動不足・加齢 などもリスクです
これらの影響で血管の内側に「プラーク(脂肪のかたまり)」がたまり、血管が細くなったり、つまったりします。
進行すると起こる病気
- 心筋梗塞・狭心症(心臓の血管が詰まる)
- 脳梗塞・脳出血(脳の血管が詰まる・破れる)
- 慢性腎臓病(CKD)
- 足の血流障害(閉塞性動脈硬化症)
予防のポイント
動脈硬化は生活習慣の改善で予防・進行を遅らせることができます。
- 血圧・血糖・コレステロールの管理
- 禁煙
- 塩分や脂肪を控えたバランスのよい食事
- 適度な運動・適正体重の維持
- ストレスをためない生活
当院では、動脈硬化の予防・早期発見のために、血液検査・動脈硬化検査(血圧脈波検査・頸動脈エコー)も行っております。ご自身の血管の状態が気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。
脳卒中
脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで、脳の働きに障害が出る病気です。
突然発症し、命に関わることや後遺症が残ることもあります。
主なタイプは次の3つです。
- 脳梗塞:血管が詰まるタイプ(最も多い)
- 脳出血:血管が破れて脳内に出血する
- くも膜下出血:脳の表面の動脈が破れて出血する(激しい頭痛が特徴)
よくある症状
- 手足のまひやしびれ
- ろれつが回らない、言葉が出ない
- 視界の異常
- 突然の強い頭痛
こうした症状があれば、すぐに救急車を呼ぶことが大切です。
予防のポイント
- 血圧・血糖・コレステロールをしっかり管理
- 禁煙・減塩・適度な運動
- 心房細動(不整脈)のチェックも重要です
高尿酸血症
高尿酸血症(こうにょうさんけっしょう)とは、血液中の尿酸の濃度が高い状態のことをいいます。
尿酸はプリン体(肉や内臓、アルコールなどに多く含まれる成分)が体内で分解されてできるもので、7.0mg/dLを超えると高尿酸血症と診断されます。
放置するとどうなる?
尿酸が多いままだと、血液中に溶けきれなくなり、結晶となって関節にたまり、激しい痛みを起こすのが痛風(つうふう)です。また、長期間高尿酸の状態が続くと、以下のような病気のリスクも高まります。
- 尿路結石
- 慢性腎臓病
- 高血圧・心血管病との関連も報告されています
原因
- プリン体を多く含む食事(肉類、内臓、魚卵、アルコールなど)
- 飲酒(特にビールや日本酒)
- 肥満
- 運動不足・ストレス
- 脱水(尿酸の排泄が減る)
- 遺伝的体質や腎機能の低下
治療と予防
高尿酸血症の治療では、まず生活習慣の改善が大切です:
- プリン体の多い食品を控える
- 水分をしっかりとる(1日2Lを目安)
- 飲酒を控える
- 適度な運動と減量
- 十分な睡眠とストレス管理
尿酸値が高い状態が続く場合や、痛風発作の既往がある場合は、尿酸を下げる薬(尿酸降下薬)を使用することもあります。
予防と対策
- 生活習慣病の管理(血圧・血糖・コレステロール)
- 禁煙・減塩・脂肪のとりすぎに注意
- 適度な運動(無理のない範囲で)
- 必要に応じて薬物療法や専門医の治療も行います
当院では、心筋梗塞・狭心症のリスク評価や早期発見のサポートを行っております。
胸の違和感や動悸がある方、ご家族に心疾患のある方は、お早めの受診をおすすめいたします。
心筋梗塞・狭心症
心筋梗塞や狭心症は、どちらも心臓の血管(冠動脈)が狭くなったり詰まったりすることで起こる病気です。
いずれも動脈硬化が主な原因で、放置すると命に関わることもあります。
狭心症とは?
- 心臓の血管が一時的に狭くなり、心筋への血流が不足する状態です
- 主な症状は、胸の痛み・圧迫感・息苦しさ(数分でおさまることが多い)
- 運動時やストレス時に起こりやすく、安静にすると症状が改善するのが特徴です
心筋梗塞とは?
- 心臓の血管が完全に詰まり、心筋が壊死してしまう病気です
- 強い胸の痛み・冷や汗・呼吸困難などが起こり、時間との勝負です
- 症状が30分以上続く場合や、安静でも改善しない場合はすぐに救急車を!
共通の危険因子
- 高血圧
- 糖尿病
- 脂質異常症
- 喫煙
- 肥満・運動不足
- ストレス・過労
- 家族歴(遺伝)
予防と対策
- 生活習慣病の管理(血圧・血糖・コレステロール)
- 禁煙・減塩・脂肪のとりすぎに注意
- 適度な運動(無理のない範囲で)
- 必要に応じて薬物療法や専門医の治療も行います
当院では、心筋梗塞・狭心症のリスク評価や早期発見のサポートを行っております。
胸の違和感や動悸がある方、ご家族に心疾患のある方は、お早めの受診をおすすめいたします。