2025年4月17日
満開の桜も葉桜となり、
今は枝垂桜が何とか咲いているところです。
気温も上昇し気持ちのいい毎日ですね。
医院の方では糖尿病、内分泌内科の外来が、
火曜日と金曜日の午前診で開始になりました。
新任の先生方が京都大学から来られています。
今は当院の電子カルテの使い方に慣れる時期で、
本格的な始動はもう少しと思いますが、
若い先生方ですのですぐに習得されると思います。
皆様のお役に立てる日が来るのも、
もうすぐのことと思っております。
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さて、表題にもありますように、
当院の胃カメラ、大腸カメラを合わせた件数が、
今月に入り10,000件を突破いたしました。
内訳としては胃カメラが5,790件、
大腸カメラが4,210件となり併せて10,000件です。
当院での内視鏡検査は全て私が担当しております。
私が吉岡医院で働き始めた2010年11月に、
月に2件の胃カメラをさせていただいたのが始まりでした。
遅れて大腸カメラは2011年3月が始まりでした。
最初の1年間は月に10件程度しかなく、
当初は受けてくださる方も
少なかったことを覚えています。
その後は少しずつですが受けていただく方が増え、
2015年には月に40件ほどさせていただくようになりました。
また当初行っていなかった大腸ポリープの切除も
2015年10月より開始しました。
その後も紹介などで検査を受けてくださる方があり、
大腸ポリープの切除も行うようになってからは、
徐々に大腸カメラを受けてくださる方も増えてきました。
胃カメラはある程度トレーニングを積めば、
それほど難しくない検査ですが、
大腸カメラはかなり難易度の高い検査です。
その大腸カメラを当院で受けてくださるのは、
個人的には大変うれしいことであります。
私が外科を辞めて消化器内科に移ったのも、
突き詰めれば大腸カメラの技術を
習得したかったからだと思います。
順調に進めていた内視鏡検査も、
2020年に上陸したコロナウイルスにより、
検査が一時的に自粛されることとなりました。
検査のキャンセルをこちらから行い、
どうしても必要な方のみ行いましたが、
感染しないかひやひやして行ったのを覚えています。
当時の写真がありました。
ガウン、キャップ、フェイスシールド、ビニールのカーテンなど、
かなり重装備で行っていました。
当時はこれらの装備を揃えるのも大変でした。
コロナ禍による検査の自粛は2か月ほどでしたが、
外来患者様も減り、検査もないとのことで、
医院は閑散としていました。
医院が今まで通り診療していけるのか、
相当に不安が強かったです。
日本中、世界中が戦々恐々としていたと思います。
あれから5年が経過しましたが、
今は何の不安もなく日々多くの検査が行えています。
もとに戻るとは当時は想像ができませんでした。
色々ありながらも地道に検査を続けてまいりました。
そしてスタートから15年近くが経過した今月、
気がつけば10,000件に到達しました。
特に目標としていた数字ではないのですが、
節目として大きい数字だと思います。
当院に受けに来てくださったすべての方に
御礼申し上げます。
これだけの数と期間検査を行ってきて、
良かったことの一つとして、
大きな見落としがなかったことが挙げられます。
胃カメラでは胃がんや食道がん、
大腸カメラでは大腸がんや直腸がんですが、
インターバルキャンサーは記憶の限りほとんどありません。
インターバルキャンサー(interval cancer)とは、
過去5年以内などの比較的短い期間に癌検査を
行ったにもかかわらず発見された癌を指します。
実際当院で胃がんを発見し手術となり、
その数年後の経過観察で残胃に新たな胃がんが
発生した患者様がおられました。
その方の前年の胃カメラを見返すと、
疑わしいと思う部位がありそれが翌年見つかったので
インターバルキャンサーとなります。
ただ翌年も早期がんで見つかっていますので、
最初期を発見できないのはある意味仕方がないところもあり、
残胃癌という観察が比較的難しい症例でした。
それでも早期のうちに発見でき、
手術で治癒し今でも元気に通院されていることは、
とても嬉しいことです。
また大腸でのインターバルキャンサーは
記憶の限りではありませんでした。
もちろん当院で受けたのち他院で検査をされている方については
知ることはできないのですが…。
これは私がお一人お一人に、
慎重で丁寧な検査を行った結果と思っております。
この姿勢で今後も続けていきたいと思っています。
また当院のスタッフにも感謝しています。
予約の電話を受けたり、検査の事前の確認電話など
事務手続きを行ってくれている受付のスタッフ。
緊急の内視鏡も含め、
必要な患者さまがおられたときには、
迅速に対応してくれる当院の看護師には、
私自身も日ごろから大いに助けられています。
そういう意味で当院の事務、看護師たちと、
検査を受けてくださった多くの患者様
全ての方に深く感謝しております。
特に数を求めて検査を行っているわけではありませんが、
日々多くの検査を行わせていただいているおかげで、
私の内視鏡の技術はいまだ向上している気がします。
今後も皆さんの助けとなるような、
苦痛が少なく質の高い検査、治療を行っていきたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
吉岡医院 吉岡幹博