京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院 京都市上京区
診療時間 午前9時~/夜診17時~
婦人科は夜診なし
休診日 木・日・祝/土(午後)
※令和5年7月より木曜日は
 休診日となりました
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また少しコロナの患者様が増えています

2024年8月17日

8月10日から15日までお盆休みを頂きました。
長期の休みを頂きありがとうございました。
皆様お変わりはありませんでしたでしょうか。

今年は北海道に旅行に行きました。
函館→洞爺湖→札幌→トマムと、
レンタカーで移動しながらの旅行でした。

暑さや台風を避けるため選んだ北海道でしたが、
旅行直前や旅行中に台風がどんどん発生し、
こんなはずでは無かったのにと思いました。

途中で激しく雨に降られることもありましたが、
概ねいい天気で過ごさせていただきました。

今年後半に向けてリフレッシュできたと思います。

 

 

さて、
皆様もご存知と思いますが、
現在コロナの第11波の最中です。

ニュースでは7月末で一旦ピークを越えて、
2週連続て感染者数は低下しているようです。
例年夏休みに入るといったん減るそうです。

ただお盆を越えると、
また増加するのではないかと予想されています。

 

最近はコロナに感染しても、
医療機関に受診されていないケースも
多くなっていると思われます。

5類移行以降国の医療費の補助が無くなり、
診察や検査の費用が掛かるようになったことも
関係しているかもしれません。

しかもコロナも軽症の方が多く、
一般の風邪と同じように
考えられていることもあるかもしれません。

 

しかしコロナはただの風邪ではありません。
若く健康な人でも症状が軽かった人でも、
後遺症を訴える人が少なからずおられます。

また高齢者では重症化することもあります。

コロナの抗ウイルス薬も当初は無料であったのが、
5類移行後は一律9000円かかるようになり
そして今年4月からは補助がなくなり、3割負担で、
1万6000円から3万円くらいかかるようになりました。

現在当院でも処方は可能ですが、
若い方で軽症の方は希望される方はおられません。
高齢者や基礎疾患のある方が
少数希望されている程度となっています。

若い方は良いとしても、
高齢者や基礎疾患がある方は、
出来れば内服されたほうがいいのではと思っています。

 

先日このような患者様が当院を受診されました。

80代の呼吸器系の基礎疾患のある患者様です。
当院がかかりつけ医ではないのですが、
複数の医療機関で治療を受けておられました。

3日前に体調不良となり、
普段通院されている総合病院を受診され、
検査の結果コロナ感染と診断されたそうです。

抗ウイルス薬の処方は無く、
解熱剤と咳止めが処方されていました。

その後咳や痰がひどくなり、
倦怠感、呼吸困難などの症状がでてきました。

一人暮らしで世話してくれる方もなく、
水分や食事がとれなくなったとのことで、
急遽夜診で当院を受診されました。

 

かかりつけ医ではないので、
どの様な基礎疾患がありどの様な内服薬があるのか、
事細かに調べる必要がありました。

近くの開業医で喘息の内服薬を、
それ以外はコロナを診断してもらった総合病院で、
耳鼻科や整形外科などを受診されているようでした。

今回はコロナ感染が悪化し食事もとれていません。
酸素飽和度が低下しており、
胸部レントゲンでは肺炎の像がありました。

緊急入院が必要な状況です。

当院の夜診で来られた方ですので、
病院は救急対応のみの時間帯となります。

最初に診断された総合病院に連絡をしました。

「そちらで3日前にコロナと診断された患者様が、
肺炎になっておられるようですので、
入院での対応も含め診て頂けますでしょうか。」

すると電話越しの担当医は一言、

「コロナの患者様は現在満床ですので、
他を当たってください。」

あっさり(冷たく)言いわれてしまいました。
満床という言葉は当直医が診療を断る、
最も有効な切り札でもあります。

このカードを切られると、
こちらとしてはそれ以上交渉ができなくなります。

そもそもその病院でコロナと診断された患者様です。
また普段通院されている方でもあります。

満床では仕方ないとは思いますが、
もう少し責任感をもって対応をしていただけると、
こちらとしても助かります。

 

独居であり自宅に帰って頂くわけにはいきません。

藁にもすがる思いで当院が良く紹介する病院に
連絡をしてみましたところ、
その病院で病床を確保していただくことができました。

いつも困ったときによく助けていただく病院なのですが、
今回もものすごく感謝しました。

一歩間違えれば
たらい回しになった可能性のありましたので。

 

4年前コロナが流行し始めたころの、
医療がひっ迫していた時の記憶がよぎりました。
重症の方も入院ができず在宅医療を受けていました。

軽症の患者様が多いとはいえ11波の最中で、
地域の基幹病院には入院を要する患者様が、
増えていることが考えられました。

 

コロナは過去のものになったわけではありません。
高齢の方、基礎疾患のある方では、
重症化していく可能性があるのです。

タイミングが遅れ「生きるか死ぬか」の状況では、
投与して命を救ってくれる抗ウィルス薬はありません。

今あるのは「重症化リスクを下げる薬」と
「症状を少し早く収める薬」です。
必要な方には必要な治療を行わなければなりません。

 

また若い方でも一旦は良くなっても、
慢性的な咳や倦怠感に悩まされている患者様も
他の感染症に比べると多くいらっしゃいます。

このようなことを考慮すると、
やはりかからないに越したことはありません。

皆様も常にというわけではなく、
場所や状況を考慮したうえで、
マスク等の感染対策を行ってください。

 

吉岡医院  吉岡幹博