京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院
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血液検査はどのタイミングで行うか

2024年6月27日

ようやく梅雨の季節となりました。
すでに夏のような暑さですが、
それに湿度が加わり空気がまとわりつきます。

高齢者の方だけでなく若い方でも、
「しんどい」とおっしゃる方が増えています。

熱中症なのか疲労なのか、
それとも何らかの病気になっておられるのか、
診断に迷うことも少なくありません。

皆様も無理をせず、
疲れを感じたら体を休めてください。

 

 

さて、
今回は血液検査のタイミングのお話です。

当院での血液検査のタイミングは、
もちろん適切な時期にやっていると思いますが、
どちらかというと積極的に行っている方と思います。

初診時には、
風邪や腹痛などの軽いものは除いて、
長期的な管理が必要となる慢性疾患に関しては、
まず治療前としての評価として行うことが多いです。

見るべきところとして、貧血がないか、
肝機能、腎機能に問題がないか、
隠れて糖尿病などがないかなどを調べます。

症状によっては甲状腺ホルモン、
腫瘍マーカーなど、少し踏み込んだ項目で
検査を行います。

どこまで調べるかは決まったものはありませんので、
医師の裁量によるところとなりますが、
最初は広く浅く調べ異常があったものに関し、
次の採血で関連する項目を選んで行っています。

 

また高血圧や高脂血症、糖尿病などで、
新しくお薬をお出しする場合ですが、
私はまずは2週間分を処方します。

これはお薬が体に合わない場合を考え、
無駄にならないようにするためです。

例えば副作用で気分が悪くなったり吐き気が出たり、
アレルギーで飲めなかったりする場合です。
1か月出して3日で飲めなくなると無駄が多くなります。

2週間内服して問題なければ次は4週間処方します。
そしてそれが飲み終わったところで一度血液検査を行います。

その採血結果で投薬による効果を判定します。
糖尿病であればHbA1cや血糖値の変化、
高脂血症であればLDLや中性脂肪をチェックします。

それと同時に、
副作用による臓器障害が起こってないかチェックします。

具体的には腎機能障害や肝機能障害です。
お薬は多くが肝臓で解毒されて排泄されるか、
腎臓で排泄されるかですので、
この辺りの臓器障害が起こることがあります。

肝機能障害は休薬すれば収まることが多いですが、
腎機能障害は一度悪くなると、
改善しにくいところがあります。

それでも比較的早期に発見できれば、
中止により元に戻ることがほとんどです。

従って新たなお薬を開始した時には、
慎重に対応した方がいいと思っております。

確かにお薬によっては副作用の強いもの、
あるいはほどんど起きないものとありますので、
一概には言えないところもあります。

しかし小林製薬のサプリメントでもあったように、
意外なところで大きな副作用が起きることもありますので、
やはり一度は確認した方がいいと思います。

 

あとは病状により軽症の方なら半年ごと、
糖尿病など管理が必要な方は、
2~4か月ごとに血液検査を行っています。

ここから先は人それぞれで一律ではありませんが、
当院に定期的に通ってお薬を出している患者様には、
半年に1回程度は血液検査を行っています。

胃薬や便秘薬などほとんど副作用のない薬では、
定期的に行っていないこともありますが、
その方には健診結果をもってきてもらうなどして確認します。

生活習慣病で内服中の患者様に対する血液検査では、
もちろん病気のコントロールを評価する意味が大きいですが、
時に重大な副作用を発見することもあります。

長期的に飲み続ける慢性疾患のお薬では、
小さな副作用も徐々に起こっていることもあるのです。

 

例えばコレステロールのお薬ですが、
腎機能障害についてはあまり心配のないお薬ですが、
たまに少しずつ悪化してくる方もおられます。

また血圧でよく使われるARBというお薬には、
腎臓を保護する作用があると謳われているものがありますが、
逆にそのお薬で腎機能障害をきたすことも知られています。

となると、
どんなお薬も安心はできないですね。

 

ということで、
定期的に血液検査をすることは、
思いもよらない副作用や病気を発見するうえで、
必要な検査と思っております。

やりすぎる必要はありませんが、
その方に合った適切なタイミングで、
検査を行う必要があると思います。

 

吉岡医院  吉岡幹博