2024年1月7日
2024年が始まりました。
「皆様、新年あけましておめでとうございます。」
と気持ちよくご挨拶したいところでしたが、
大変な年明けになりました。
皆様、
年末年始は
どのようにお過ごしでしたでしょうか。
私は京都におりました。
地震が起きた1月1日の夕方は、
お墓参りと初詣の帰り車で移動しておりましたので、
地震の揺れを体感することはありませんでした。
帰宅後テレビをつけて、
全てのチャンネルが地震の特番に代わっていて、
初めて大地震に気づいたのでした。
よりによって1年の始まりの日に起こらなくても。
本来ならおめでたい元日にこのような大惨事が起こったのは
今まで生きてきた中でも記憶にありません。
東日本大震災は津波のイメージが大きく、
津波でたくさんの犠牲者が出たのですが、
今回も一部には津波の被害もあったようです。
今回の地震の規模はいったいどの程度だったのか。
過去の地震と比較するとどのレベルなのか、
気になったので調べてみました。
NHKのサイトにはこのように書かれていました。
”今回の地震で震度7の揺れを観測した
石川県志賀町の地震計から算出された、
揺れの強さを表す「加速度」は
2825.8ガルに達していたということです
これは、
▽1995年の阪神・淡路大震災の地震の891ガルや
▽2004年の新潟県中越地震の1722ガル、
▽2016年の熊本地震の1791.3ガルをいずれも大きく上回り、
東日本大震災を引き起こした2011年の地震の2933.7ガルに
匹敵する激しい揺れとなりました。”
まだ記憶に新しい熊本地震での規模よりもはるかに強く、
東日本大震災の地震に匹敵するとのことです。
『加速度』の大きさだけで、
被害の大小が決まるものではないとのことですが、
過去最大級の地震であったのは間違いないようです。
東日本大震災の時もそうでしたが、
よりによって寒い地域での真冬での被災とのことで、
避難暮らしは過酷なものと思います。
高齢者の多い地域でもあり、
避難された方の命もまだ本当の意味で
助かったかどうかは分かりません。
災害関連死が出る可能性も高く、
早期の救援が望まれるところです。
私たちが暮らしている京都市に関して言うと、
自然災害で最も脅威となるのはやはり地震のようです。
地震が起きても津波の被害はないので、
地震による倒壊とその後に起こる火災が、
被害が大きくなるかの要因となります。
特に当院がある上京区は道幅も狭く密集していて、
一度火災が発生すると消防活動が難しいと
消防の方が仰っていました。
風が強い場合は風下にどんどん延焼するため、
延焼が食い止められるような大通りに差し掛からないと
消し止めることは難しいそうです。
今回の地震でも火災が発生していましたが、
地震後の火災には注意が必要といなります。
火の元を止めるブレーカーを落とすなどの対応が
必要とされています。
このように考えていると他人事とは思えず、
災害が発生したときどう行動すればよいのか、
普段から考えておかなければなりません。
私が所属する地区医師会(京都市西陣医師会)でも、
災害時の対応について京都府医師会や行政との
連携について話し合いが進められています。
病院や診療所も被災しますので、
情報収集がまずは必要になります。
医師会事務所に対策本部を立ち上げ、
医師会長をはじめ役員が主に対応します。
発生超急性期に到着するDMATとの連携、
地域での診療可能な医療機関との情報共有など、
医師会として果たすべき役割があります。
ただ災害の少ない京都においては、
行政も含めまだまだ他地域に比べると
整備が遅れているようです。
正月を襲ったこの大地震だけでも
かなりのインパクトがありました。
しかしその翌日の1月2日に、
前代未聞の飛行機衝突事故が起こるとは
誰も思いもしなかったことでしょう。
こちらもテレビのライブ映像で、
燃え広がる飛行機を見た瞬間は、
絶望的な気分になりました。
中継の途中までは
乗客がどのような状態に置かれているのか、
詳しい説明はありませんでした。
消火活動にあまり必死さがなかったことから、
ひょっとしたら乗客は脱出したのではないか、
でも逃げ遅れていたら大変なことになる。
飛行機の機体はこれほどまでに簡単に燃えるのか、
まるで木で作った模型飛行機のようです。
不安でいっぱいでテレビを見続けていました。
やがて乗客乗員は全員脱出したとの情報が入り、
ひとまずはほっとしました。
400名近くの命がかかっていましたので、
本当に奇跡の脱出劇だと思いました。
ただ残念なことに
海保の乗員は5名の方がなくなりました。
被災地に物資を運ぶための任務と知り、
本当に気の毒に思いました。
大地震の発生により
被災地の人々の命だけでなく
支援に向かった方の命も奪われました。
今後このような2次災害が
起きないことを祈っております。
このような大きな災害と大きな事故が、
あろうことか正月と2日起きてしまいました。
発生から1週間たち、
被災された方の疲労も相当なものと思われます。
有効な支援が早く行き届くことを願っております。
吉岡医院 吉岡幹博