2023年12月27日
いよいよ年末ですね。
ここ1週間くらいはとても寒いですが、
年末年始は少し気温も上がるそうです。
インフルエンザが独り勝ちしていたこの頃ですが、
少しコロナの陽性者が増えてきたように思います。
年末年始の移動や旅行は、
なるべくマスク着用が望ましいと思います。
人ごみに出る際にはお気を付けください。
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さて、
2023年、令和5年も残すところあと4日になりました。
今年もあっという間の1年でした。
この数年当院は地域の皆様に支えられながら、
内科、外科、肛門科、婦人科、小児科や内視鏡検査を中心に
多くの患者様にご利用いただけるようになりました。
患者様増加に伴い窓口対応や電話対応での業務が増えた結果、
スムーズな受付ができなくなったり、診察までの待ち時間が長くなったり、
患者様にご迷惑をおかけすることもしばしば出てくるようになりました。
医療機関における待ち時間の長さといった永遠の課題に対し、
今年1年間当院ではいろいろ取り組みをしてきました。
まだまだ課題は尽きませんが、
少し振り返りながら再度ご紹介させていただきたいと思います。
(1) デジスマ支払
・2023年1月導入
これはスマホでアプリをダウンロードし、
そこにアカウントとクレジットカードの登録を行うと、
診察後の支払いが自動で引き落とされるというものです。
診察後の会計までの待ち時間をなくすもので、
処方箋のある方は処方箋を受け取り、
すぐに医院から出ていくことができます。
なぜ待ち時間なしで出れるかというと、
通常は窓口で支払いを行うため、
診療後は電子カルテより会計をする時間がかかります。
もし混雑しているときには、
会計作業も順番に行いますので、
会計ができるまでの待ち時間が発生します。
その点デジスマ支払では、
後からスマホで引き落としになるので、
その場で会計ができている必要がないのです。
従って処方箋のみをその場で受け取り、
会計は後程自動で引き落とされるということになります。
その際には明細と領収書もPDFで添付されます。
これはとても便利で今風の賢いシステムですが、
まだ広く使っていただけるまでには至っていません。
アプリをダウンロードすることや、
クレジットカードの登録が面倒なためと思われます。
またシステムを使うことに対する不安もあるかもしれません。
このシステムは医院と業者が契約しており、
患者様にはシステム利用料や引き落としの手数料は、
当然のことですが一切かかりません。
このシステムに係る利用料やカードの手数料は、
全て当院の持ち出しとなっております。
当院としては使ってもらうだけ経費が掛かるのですが、
できるだけ利用していただきたいと考えております。
それは待ち時間を含め院内での滞在時間を少なくするために、
皆様の貴重な時間を当院が手数料分でわずかですが、
キャッシュバックしていると考えているからです。
多くの方が利用してくだされば、
それだけ診療時間中に受付で発生する会計業務を
後回しすることができ他の業務に充てることができます。
またスマホを使われない高齢者の方などの、
窓口で支払いされる方の会計時間の短縮にもつながり、
医院と患者様両方にメリットが生まれます。
ITを用いた院内業務改善策としては、
いいシステムだと思いますし、
患者様でも一度使われた方は、
その後もずっと使っておられます。
まだご利用になられていなければ、
一度使ってみられてはどうでしょうか。
きっと便利だと思います。
(2) WEB事前問診
・2023年9月導入
2020年からのコロナ禍により、
当院では発熱外来の運用が課題となりました。
流行時には電話が鳴りやまないほど受診依頼があり、
当院の事務は電話で一人ひとり発症時期はや病状をお聞きし、
発熱外来の限られた枠の管理を行ってきました。
通話時間はお一人5分ほどかかりますので、
膨大な時間と労力を電話対応に要することになりました。
その電話対応の業務が膨れた結果、
通常の窓口業務にも支障が出るようになり、
職員の中には体調を崩すものも出てきました。
職員自身がコロナに感染し出勤できなくなること、
また電話や患者様対応の肉体的精神的負担により、
出勤できなくなるものもおりました。
2022年8月には電話の自動応答システムを導入し、
必要な電話のみ職員が対応するようにしましたが、
それでも大幅な業務の改善は至りませんでした。
そこで今では多くのクリニックが取り入れている、
WEB問診を行うことにしました。
職員が今まで詳しく聞き取ってメモを残していたものを、
電話では簡単な用件だけでご案内ができるようになりました。
残りの詳しい内容はWEB問診で入力していただくからです。
これにより電話対応の時間と労力が少なくなり、
今までつながらずご不便をおかけしていた電話対応が、
かなり改善されました。
また診察の方でも、
患者様の病歴を全て電子カルテに手入力する必要が無くなり、
よりスピードを上げて発熱外来をまわせるようになりました。
現在は発熱外来のみならず、
内科、外科、肛門科の診療で利用しています。
今後は小児科や婦人科での利用にも
繋げてい行きたいと考えております。
(3) 電子マネー・スマホ決済利用開始
・2023年4月導入
2020年2月、コロナが日本でも増え始めた時、
当院は偶然同じタイミングで現金の受け渡しを必要としない、
セミセルフレジを導入しました。
以前から当院ではクレジットカードの決済が可能でしたが、
新しいレジを導入したことにより端末の整備をすれば、
多くのキャッシュレス決済に対応可能となりました。
そしていろいろな方法を検討したのちに、
2023年4月になってようやく、多くの電子マネー、
交通系ICカード、スマホのバーコード決済に対応する
システムを導入することができました。
これまでは窓口でのカード利用による決済が、
全体の3人に1人の割合であったのが、
スマホなどの多彩なキャッシュレス決済の導入により、
今では2人に1人の方がご利用されています。
患者様の利便性向上に役立っているものと考えますし、
会計業務でも現金の支払いより操作が速いので、
当院にとっても業務改善につながっているようです。
引き続きご利用いただければと思っております。
(4) 5階待合ラウンジの新設
・2023年4月オープン
これは私がずっと思い描いてきたものを
ようやく形にすることができたというものです。
院内で発生するすごく長い待ち時間は、
他の医療機関でも発生する大きな問題の一つです。
大病院では予約をしても待たされることもよく聞きます。
完全予約制にすれば解消する問題ですが、
それでは内科、小児科、婦人科での急患への対応は、
ほぼ不可能な状態になります。
急病で困っている患者様を診ないわけにはいきませんし、
これまでも依頼された相談には、
できるだけ断らないようにして対応してきました。
そのため当院では時間制の予約は行っておらず、
あくまで当日の順番どりシステムで、
待ち時間を少なくしていただく形はとっています。
それでもなお、
受診される方が多い日には必ず待ち時間が出ます。
それならその待ち時間を、
少しでも苦痛が少なく有効に使っていただきたい、
そう思っておりました。
窮屈な外来の待合にじっと座って1時間とか、
本当に申し訳ないと思っております。
そこで当院の最上階である5階を改装し、
待合室に作り変えました。
もともとは手術室や当直室があった場所です。
それほど広いスペースではありませんが、
12名分の椅子とテーブルがあり、
南向きの大きな窓から見える景色も良いので、
外来で待つよりはリラックスできると思います。
読書やスマホ充電やPCでの作業もでき、
お子様にもキッズスペースや自販機がありますので、
有効に使っていただけるのではないかと考えています。
良かったら一度5階にお越しになってください。
このように普段から、
患者様の待ち時間をいかに少なくするか、
また有効に使っていただけるかを考えています。
ただ根本的に待ち時間を解消するまでの方策は、
今のところ見いだせてはおりません。
それどころか、
こちらの不手際により発熱外来への案内が遅れたり、
順番がきっちりとれていなくて診察まで時間がかかったり、
日々そのような問題も多かれ少なかれ起こっております。
いろいろなシステムやサービスを導入しても、
最後はやはり職員が責任をもって業務に当たることが
重要になってくると思います。
来年に向けて皆様に気持ちよくご利用いただけるように、
医院での取り組みを進めていきたいと考えております。
来年もよろしくお願いいたします。
なお、
本年の診療は12月29日午前診が最終です。
29日の夜診からは休診となりますので
ご留意頂きますようお願い申し上げます。
新年は1月5日金曜日から診療を開始いたします。
それでは皆様、
本年も1年間大変お世話になりありがとうございました。
楽しい年末と良いお年をお迎えください。
吉岡医院 吉岡幹博