京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院 京都市上京区
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「WEB事前問診」にご協力お願いいたします

2023年9月7日

9月に入り日中はまだまだ暑いですが、
朝晩の空気は少し穏やかになってきました。

コロナの患者様は相変わらずおられますが、
何となく流行のピークを越えたかもしれません。
発熱外来の利用者は少し減ってきました。

9月下旬からはまたコロナのワクチンが始まります。
10月からはインフルエンザのワクチンが始まりますので、
これから年末までは何かと忙しくなりそうです。

 

 

今回は当院で始めました、
「WEB事前問診」についてのお話です。

皆さんはWEB問診という言葉ご存じですか?

 

まず問診というのは医師が患者様に対し、
来院のきっかけとなった症状や経過、これまでの病歴など、
診断の手掛かりとなる情報を聞き取ることを指します。

問診の中には、
「主訴」:中心となる、来院したきっかけになった症状
「現病歴」:今回発生した症状の起こり方,経過
「現症」:今回の病気の現時点での症状
「既往歴」:これまでの病歴、治療歴
「家族歴」:本人の近親者の健康(病気)の記録
が主なものとしてあります。

そのほか、
現在の内服薬、アレルギー歴、喫煙歴、アルコール摂取の有無、
結婚の有無や出産歴なども含まれます。

 

初めて訪れた病院では、
必ずこの問診票という紙が渡され、
待ち時間の間に記入します。

医師はこの問診票をもとに患者様の状況を把握し、
事前に病気の絞り込みを行うとともに、
より診断に近づけるための質問を用意します。

問診は医師にとってとても大切な情報で、
問診である程度病気の絞り込みを行います。

 

このように重要な問診ですが、
カルテが電子化された今日では、
問診を電子カルテに転記する作業が必要となります。

医師は診察室で、
患者様にさらに聞き取りを行いますが、
その間ずっと電子カルテに医学用語で入力を行います。

主訴、現病歴、現症…、と入力しながら、
最後は服薬中の薬品名も打ち込んでいくと、
高齢の患者様などはとても時間がかかります。

本当は患者様の話す表情やしぐさをみながら
問診を行いたいのですが、
入力作業のためなかなかできない状況となります。

 

そこで登場するのが「WEB問診」です。

WEB問診はホームページ上に設けた問診票に
患者様が自らパソコンやスマホで記載を行うものです。

医療機関に行く前に答えることができるため、
患者様は医療機関の待合で書くのよりも、
落ち着いて正確に記載することができます。

 

医師はカルテ転記の手間が省けるため、
患者様に向き合って診療を行い、
お話しすることができるようになります。

看護師は発熱外来では、
患者様との紙の受け渡しや聞き取りの手間が省け、
感染のリスク低減につながっています。

事務は普段から電話対応が多くなりますが、
WEB問診の利用により電話などでの聞き取りが減り、
より本来の業務に集中できるようになります。

また電話での案内が簡単になることより、
医院の電話が繋がらない時間が減ることに繋がります。

また患者様側にとっても、
診療がスムーズになることにより、
院内での待ち時間が減少すると考えられています。

この様にWEB問診を使用することにより、
業務の効率化が進むということになります。

 

私もこれまで何度もWEB問診を導入したいと考えてきました。
しかし、患者様にスマートフォンで文章を入力するのは、
かなり大変な負担になります。

そして高齢者が多い当院の内科では、
スマホ自体を使いこなすの難しい方もおられますので、
結局浸透しないのではないかと思われました。

また操作方法の案内などで、
結局受付の業務が増えるのではないかとの危惧があり、
なかなか導入することができませんでした。

 

今回当院で導入したのは、
WEB問診の中でもAIを使って行う
新しいタイプのAI問診というものです。

AI問診では入力された主訴に対して、
AIが疑い疾患を推測しながら
さらに深掘りの質問を投げかけていきます。

患者様は基本的には文字の入力を行うことなく、
出てきた選択肢を選んでいくだけなので、
使用方法が比較的シンプルでスピーディーとなります。

テキストの入力が無いことで、
入力の手間が省けることと、
高齢者でも操作が容易となることが考えられます。

このAIは、約5万本の医学論文と
医療機関で日々ご利用いただいているデータを元に学習し、
精度が日々向上するとのことです。

 

さらにその問診結果はAIの力で医学用語に変換され、
カルテに最適化した文章として自動的に出力されるので、
診察前にカルテの大半が完成しているということになります。

これは医師の ”カルテ作成業務” としての負担は
かなり軽減されるとともに、
診療時間の効率化につながると考えられます。

 

当院は今週月曜日の9月4日より運用を開始し、
発熱外来の患者様を中心に使用していただきました。

発熱外来は日にちや体温などの数字の入力や、
症状も多彩で入力に手間がかかっていましたが、
AI問診を使用し診療時間が短縮しました。

入力業務での時短ですので、
患者様の診察時間は逆に増えていると思われますが、
お一人にかかるトータルの時間は減っていると思います。

また受付の電話で病歴を聞かなくなったことより、
これまでより電話がつながりやすくなったのが、
少しでも解消されるのではないかと期待しております。

 

とはいえ、
患者様には問診作成の負担をおかけすることになります。

質問内容もある程度カスタマイズできるのですが、
質問項目が多かったりで思いのほか大変な作業かもしれません。

まだまだ使い始めたばかりで、
皆様のご印象をお聞きしながら、
より簡単に使用できるように改善していきます。

 

まずは内科・外科・肛門科の患者様から使用を開始し、
問題点があれば解決をして、時期を見て、
婦人科、小児科にも拡大していこうと思っております。

またご使用された感想を、
診察の際にでおお聞かせいただければ幸甚に存じます。
何卒ご協力のほどお願い申し上げます。

 

 

吉岡医院  吉岡幹博