2023年8月7日
早いもので8月になり、
いよいよ夏本番といったところです。
しかしこんなにも暑い夏は初めてかもしれません。
連日外来には熱中症と思われる
倦怠感や体調不良を訴える方が来られます。
点滴をすると少し楽になり帰って行かれます。
院内でも窓を開け換気しながらとなると、
エアコンの効きもかなりわるくなり、
診察室でもマスクの影響で息苦しくなります。
ここから1か月、
何とかやり過ごさなければなりません。
皆様もご無理なさりませんようお気を付けください。
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さてコロナの感染状況ですが、
この暑さの中でも広がっている気がいたします。
今までかかっていない方も続々とかかっているので、
やはりこれまでと違うオミクロンのタイプなのでしょう。
ワクチン効果も少ないと予測されます。
連日発熱外来には多くの患者様が来られます。
現在診察希望の方が多く、
順番に時間を空けて受診していただいています。
当院での発熱外来の診療の流れですが、
まずいつからどのような症状があるか、
何度発熱しているかなどをお聞きいたします。
発熱があっても無くても、
風邪症状があればひとまず抗原検査を行います。
抗原検査は10分ほどでわかる迅速検査です。
そこでコロナ陽性になれば確定診断です。
発症から3日以内であればゾコーバ、
5日以内ならラゲブリオの投与を検討します。
あと同じような抗ウイルス薬で、
パキロビットという薬剤がありますが、
こちらは腎機能に合わせ投与量の調整が必要です。
従って血液検査で腎機能を調べていない
当院通院歴のない患者様などには、
その場で処方しにくいお薬となっております。
ゾコーバもラゲブリオもパキロビットも、
いずれもコロナに対する抗ウイルス薬で、
インフルエンザの時のタミフルのような薬です。
ウイルスの量を早く減少させますので、
症状の改善を早め、後遺症の出現を抑えることや、
周囲への感染性を早く下げる効果が期待できます。
ただしお薬によっては、
妊娠中や妊娠の可能性のある方には投与が出ないため、
若い女性の方には慎重に投与を検討します。
抗原検査が陰性の場合は、
ひとまず陰性として経過を見ることもありますし、
さらに詳しい検査としてPCRを行う場合もあります。
会社や学校でコロナにかかっている人がいる場合や、
家族でコロナになった方がいる場合には、
抗原検査陰性の場合にはPCRを追加することが多いです。
PCRの結果は翌日に出ますが、
数名に1人くらいの割合でコロナの陽性が判明します。
従って抗原検査陰性でも注意が必要です。
さて、
現在のオミクロン株を中心としたコロナ感染は、
ほとんどの方が軽症で経過します。
咳や倦怠感が長く続く方も時々おられますが、
割合的には多くありません。
しかし今やコロナは非常に日常的な感染症ですので、
自宅の抗原検査で陽性に出ても、
症状が軽ければ病院に行かない方も多いと思います。
それなので、
今までに比べると感染者全体の数が把握しにくく、
現在はこれまでで一番流行しているかもしれません。
そのため重症化の頻度は少なくても、
感染者全体の数が大きくなっておりますので、
重症者はある程度出ていることが考えられます。
先日当院でコロナの診断がついた患者様で、
通常通りゾコーバ処方し帰宅された方がおられましたが、
5日後になっても高熱が出ると再来されました。
胸部レントゲンでは肺炎像が疑われ、
抗生剤を処方し血液検査を実施し、
翌日結果を聞きに来ていただきました。
すると思っているよりはるかに
炎症の数値が悪いことが判明しました。
入院が望まれる状態です。
そこで当院から近い病院を順に当たってみたのですが、
どの病院も満床であったりコロナは入れないなど、
なかなか受け入れ先が見つかりません。
おりしも猛暑が酷暑となり、
熱中症の搬送が増えていた時期でした。
高齢者を中心にベッドが埋まったのかな、
そんなことを考えながら、
何とか5件目の病院で受け入れが決まりました。
京都のようにクリニックも病院も医療機関が多数あり、
医療資源にも恵まれているこの地域で、
これだけ断られるのも珍しいことです。
5類になったとはいえ、
やっぱりコロナは依然として
特殊な病気であることを認識させられます。
あまり報道もされていませんが、
今地味にコロナや熱中症で、
医療機関は混雑していると思われます。
来週から始まるお盆を前に、
これからコロナの患者さんや体調不良の方が、
一気に増加するのではないかと危惧しております。
皆さんも体調管理には、
くれぐれもお気を付けになってください。
あまり無理をせず、
休日は適度に体を休めてくださいね。
吉岡医院 吉岡幹博