2023年4月17日
桜の季節も終わり新緑の季節となってきました。
朝晩の寒暖差が相変わらず大きく、
服装の調節が難しいと感じる今日この頃です。
皆様はお変わりありませんでしょうか。
当院では先週から、
5階の待合ラウンジがopenしました。
外来の待ち時間が長い時や、
検査の付き添いで来られているときなど、
皆様もお気軽にお立ち寄りください!
(受付にお声がけください)
また大変時間がかかってしまいまいしたが、
マイナンバーカードによるオンライン資格確認が、
ようやく導入されました。
マイナカードに紐づけされた健康保険証をお持ちの方は、
受診の際にお持ちになってください。
よろしくお願いいたします。
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さて、
皆様もご存知のことと思いますが、
5月8日から新型コロナウイルスは、
感染法上の位置付けが2類から5類へ移行されます。
最初におさらいですが、
感染法による2類とは、
「感染したときの重症化など危険性が高い感染症」のことで、
結核、SARS、ジフテリア、鳥インフルエンザなどが含まれます。
5類とは、
「感染力や重症化など総合的に危険性が低い感染症」のことで、
季節性インフルエンザ、梅毒、風疹などが含まれます。
2類から5類への移行措置により
社会的には多くの制限が緩和されます。
具体的には、以下のような変化が起こる可能性があります。
1.社会的距離の緩和:
5類に移行することで、
社会的距離の規制が緩和される可能性があります。
これは、人々がより多くの場所に出かけ、
社会活動が回復することを意味します。
2.制限の緩和:
5類に移行することで、公共施設や集会場所などでの
人数制限が緩和される可能性があります。
例えば、スポーツイベントやコンサートなどで、
より多くの人が集まれるようになるかもしれません。
3.マスクの着用:
マスクは個人の判断となり、必要なしとされます。
それでもマスクの着用が必要な場合があるかもしれません。
特に公共交通機関や病院などの閉鎖的な場所では、
引き続きマスクを着用する必要があるかもしれませんしれません。
4.経済活動の回復:
5類に移行することで、
企業や店舗の活動が回復する可能性があります。
インフルエンザと同等の扱いになるので、
社会的な制限はほとんどなくなると言えるでしょう。
では、医療機関はどうなるのでしょうか。
まずはまとめです。
●診察・・・一般医療機関で受診できるようになる。
●医療費・・・公費での負担はなくなる。
●入院措置、勧告・・・なし。
●ワクチン費用・・・当面は公費での負担を検討。
●マスク着用・・・医療機関内では推奨
●感染者数・・・定点把握。
現在発熱外来は4万2000施設で対応していますが、
5類移行後は一般医療機関で対応することになります。
しかしながら、院内のゾーニング、動線分離は必要で、
パーテンションなどの簡単な分離は求められます。
出来なければ従来通り時間的分で対応するようです。
また医療従事者の診療時における防護具の扱いは、
マスクは常に着用、
飛沫・ばく露の可能性のある場合には、
手袋、ガウン、フェイスシールド、N95マスクは
装着するようにとのことですので、
基本的には現状とあまり変わらない扱となります。
医療費は5類移行後には、
他の疾患と同様に「医療費の公費負担」はなくなります。
インフルエンザと同じくらいの医療費は発生します。
ただし、抗ウイルス薬に関しては公費支援を行います。
まずは9月末まで措置しその後は対応を検討するようです。
ワクチンは当面は公費で行われます。
コロナの検査については、
抗原定性検査キットの普及他疾病との公平性を踏まえ、
自己負担分の公費支援は5類移行に伴い終了します。
「自宅待機期間」は、無くなります。
インフルエンザと同じになりますので、
法的な措置による自宅療養期間はなくなります。
現在は感染法に基づいて、
症状がある人は、発症の翌日から7日間が経過し、
症状が軽くなって24時間経過したら解除できるとされ、
外出自粛が求められています。
しかし4月14日の厚労省の発表で、
5類に移行したあとの療養期間の目安として、
発症の翌日から5日間は外出を控えることが
推奨されるとする考え方を示しました。
文部科学省は学校への出席停止期間を、
「発症の翌日から5日間」で、なおかつ
「症状が軽くなってから1日経過するまで」とする、
新たな基準を設定する方針を固めました。
では、なぜ5日なのでしょうか。
アルファ株やデルタ株の頃のように毒性が強く、
ワクチンが十分に接種されていなかった時期では、
このような議論はできなかったと思います。
研究によりオミクロン株では、
発症後7日時点で平均ウイルス力価が検出限界値を下回り、
この後この値を上回ることはありませんでした。
また発症後5日時点でウイルス力価が落ちています。
5日間療養のあともし6日目解除となっても、
医学的には感染を広げるような水準ではないだろうと考えられます。
アメリカ疾病予防管理センターをはじめとした、
諸外国の推奨も「発症後5日間の療養」が多いです。
そのためこの数字は妥当ではないかと考えられます。
6日目からいきなり感染リスクがなくなるわけではないので、
この判断は厳密なものではなく「目安」として考えてください。
発症後10日間が経過するまでは、
マスク着用や高齢者などのハイリスク者との接触を
控えていただく必要があります。
ただ一般的には外出を控えるかどうかは
個人の判断に委ねられることになるため、
市中感染や職場でのクラスター感染の可能性が考えられます。
医療機関としても、コロナ感染が認められた際には、
患者様になるべく5日間は外出を控えてくださいと、
お願いベースでの対応となりそうです。
以上、
今年5月8日コロナ感染症の5類移行後の変化について、
まとめてみました。
皆様も個人の裁量に任せられる部分もあり、
戸惑われることも多くなるかもしれません。
医療機関ごとの対応も分かれてくると思います。
5月頃に新たに感染が流行する可能性もあり、
その時々に応じた対応が必要かと思います。
吉岡医院 吉岡幹博