2023年2月17日
2月も中旬となり
まだまだ寒い日が続いています。
今年は雪がよく降りますね。
当院の発熱外来では、
コロナは過去のものになったかのように、
インフルエンザが増加しています。
せっかく承認されがコロナの新薬「ゾコーバ」も
あまり出る幕はありません。
このインフルエンザの逆襲は、
しばらくは続きそうな雰囲気です。
皆様もお気を付けください。
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さて今回は医療機器についてのお話です。
当院に薬品や医療機器卸の担当者が、
最新医療機器カタログを持ってきてくれました。
エコー、CT、内視鏡といった画像診断機器から、
電子カルテや診療所向けのセルフレジまで、
いろいろな最新機器が載っています。
そこで目についたのは「AI搭載」の文字です。
最近は家電にしても多くの製品に
AIが搭載されていますが、
その流れは医療機器にも広がっています。
今回最も驚いた医療機器は、
インフルエンザの診断用機器です。
細長い筒の先端にカメラが付いていて、
それを患者さんが口にくわえることで、
咽頭の写真を撮ってきます。
その画像と体温や自覚症状等をAIが解析し、
インフルエンザの特徴的な所見や症状を
検出・診断するシステムだそうです。
これまでのインフルエンザの診断は、
患者さんの鼻腔や咽頭のサンプルを
検査キットで化学的な反応を見るものでした。
そこには症状や熱の情報は一切関係なく、
純粋に検体の反応のみで診断していました。
それが、患者さんのどの画像、体温等で
AIが「インフルエンザかな~」と、
考えて診断してくれるというのです。
(あっているのかわかりませんが)
どれくらいの正診率なのか、
ちょっと気になります。
この診断装置は保険点数がついています。
これはこれまでの簡易迅速検査キットを用いたのと、
同じ点数となっています。
ただこの機器は本体が大変高価でPCも必要で、
システム利用料なども年間かかり、
さらにAI診断料も1件ごとにかかるようです。
とても一般の診療所では購入できません。
今後どのような使われ方をするのか、
ちょっと注目してみていきたいと思います。
また消化器内視鏡にも
AIが搭載されている
モデルが出てきています。
大腸カメラでポリープの切除を行いますが、
そのポリープの検出と切除すべきかどうかを
リアルタイムで診断するものです。
こちらにはAI技術のディープラーニングを
用いて診断能力を上げているとのことです。
医師はポリープの画像を映す役割で、
診断はAIが正しくしてくれる時代が
もうやってきているかもしれませんね。
いずれにしてもまだ一般的な普及はしていません。
しばらくは医師が経験や知識をもとに、
自分の知能で診療することになります。
やはり日々の研鑽が大切です。
吉岡医院 吉岡幹博