京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院 京都市上京区
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新型コロナ の新規内服薬「ゾコーバ」について

2022年12月7日

いよいよ師走となりましたが、
皆様はいかがお過ごしでしょうか。

コロナ第8波もピークを迎えつつあり、
思ったほどの流行にならずにすみそうですが、
もう少し警戒が必要です。

普通の風邪の方も増えてきています。
私は3年ぶりにかぜをひいてしました。
皆様もお気を付けください。

 

 

さて、
皆様はコロナに有効な飲み薬「ゾコーバ錠」が、
11月22日に新たに加わったことをご存知でしょうか。

このお薬は塩野義製薬が開発した、
国内の製薬メーカーでは初めての飲み薬でもあり、
今後の治療に期待されています。

軽症の段階から服用できる飲み薬で、
重症化リスクの低い患者でも服用できるのが特長です。

これまでも軽症者に使えるお薬として、
「ラゲブリオ」がありましたが、
この薬は、糖尿病やさまざまな呼吸器疾患、
肥満など重症化リスクのある人に限られていました。

「ゾコーバ」はインフルエンザの「タミフル」のように
広く使えるイメージの飲み薬で、
12歳以上なら重症化リスクが低い人でも使えるということです。

 

では効果のほどはどうでしょうか。

治験の報告によりますと、
発症から3日以内に服用を開始したグループでは、
オミクロン株に特徴的なせきや喉の痛み、鼻水・鼻づまり、
けん怠感、発熱・熱っぽさの5つの症状すべてが7日前後でなくなり、
症状が出ていた期間が約24時間短縮されたということです。

投与は1日1回、5日間行われましたが、
4日目の段階でウイルスの量が30分の1程度に減り、
重篤な副作用はなかったとそうです。

さらに現在主流となっている
オミクロン株の「BA.5」を含む変異ウイルスに対しても
高い効果を示したとしています。

 

しかしながらこのお薬も、
承認まではかなりの道のりがあったようです。

厚生労働省の審議会では2022年7月に
「有効性を推定できるデータが不十分だ」として、
承認が見送られています。

本当の意味で有効な薬かどうか、
とても微妙なところにあるようですね。

緊急承認ということで効果や副作用の検討が、
引き続きなされていくものと思われます。

 

当院ではまだ使用することができません。
ファイザー社の飲み薬、「パキロビッドパック」を
処方した実績のある医療機関や薬局に限定されています。

しかし近い将来、供給が整い次第
一般の医療機関でも処方が可能となるようです。

本当にコロナ治療において、
「タミフル」のような存在になるのか、
今後の報告が待たれるところです。

 

※このお薬は妊娠中や妊娠の可能性のある女性は
服用できませんのでご注意ください。

 

 

吉岡医院  吉岡幹博