2020年10月17日
10月も中ごろとなり
穏やかな秋の季節となりました。
皆様お変わりありませんか。
高齢者のインフルエンザワクチンの接種が
10月1日に始まったところですが、
今年は予約の問い合わせが凄く多いですね。
まだ一般の接種自体が始まってもいませんが、
例年の実績で当院に割り当てらるワクチンの予定本数が、
つい先日予約でいっぱいになってしまいました。
例年であれば11月くらいに予約が増え始め、
11月下旬まで予約を受け付けているのですが、
今年は10月のまだ中旬であっという間に埋まってしまいました。
コロナ禍で普段は打たない方も
今年は打つようになっていること、
また報道などで呼びかけられているため、
予約が前倒しになったことが原因と思います。
12月に入ると、
他院で使用されなかったワクチンが、
卸さんから納品できることがあります。
また新たにご用意できることがあれば
ホームページ上でご報告いたします。
ご希望の方はまた覗いてみてください。
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さて今回は、
胃カメラの話です。
先月より当院の胃カメラは、
新しいハイビジョン内視鏡に代わりました。
この内視鏡は画質がハイビジョンなのですが、
驚くのはその太さで、
経鼻内視鏡と同じ太さなのです。
私が開業した10年前、
画質にこだわり購入したハイビジョンは、
太さが9.8㎜ありました。
ほぼ1㎝の太さです。
これは胃カメラとしては相当太く、
患者様への負担もかなりありました。
当時は麻酔なしではしんどかったと思います。
またその頃にも経鼻内視鏡は出ていましたが、
経口内視鏡との画質の差は歴然で、
実施する医師側もストレスを感じていました。
経鼻内視鏡はこの10年の間に、
モデルチェンジごとに進化はしていましたが、
日ごろからハイビジョン内視鏡を使用しているものにとっては、
どうしてもそのクオリティに満足できませんでした。
2014年ごろに発売されたこれまでの最新の経鼻内視鏡も、
発売当初はハイビジョン並みの画質という触れ込みであり、
当院も早くから導入しておりました。
確かにその前のモデルに比べると、
画質と明るさは改善していました。
しかし実際使用してみると、
画面のざらつきや遠景の暗さなど、
経口の内視鏡とは明らかな差を感じました。
従って今までの経鼻内視鏡の位置づけは、
検査の苦痛を減らすために、
画質は犠牲にしていますというのが常識でした。
経鼻内視鏡の太さでハイビジョンの画質もつ、
それはある意味胃カメラにとっての
大きな一つの目標だったと思います。
また多くの内視鏡医にとって、
待ち焦がれていたものでありました。
そしてついに今年の3月に、
オリンパスから太さ5.4㎜の
ハイビジョン内視鏡が発売されたのです。
10年前のハイビジョン内視鏡H260と、
今回の1200Nを太さの違いを
パンフレットの写真で比べてみましょう。
GIF-H260
GIF-1200N
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、
細くなった感じが見て取れると思います。
昨年10月のDDWという学会の展示場で初めて目にした時、
そして当院でも実際デモ機を用いて検査した時、
今までの進化とは別次元の圧倒的な画質にとても驚かせれました。
オリンパスが言うには新開発のCMOSイメージセンサーにより、
画像ノイズが低減され、また遠景にもピントが合い、
よりクリアな画像が得られるようになったためだそうです。
この内視鏡があれば、
今までどうしても画質を犠牲にして行ってきた経鼻内視鏡も、
自信をもってお勧めすることができると思われました。
そして少し遅れましたが、
この9月に当院でも導入することができました。
日々使用していて、
本当にきれいな画像を描出することができますので、
検査に対する信頼性、安心感が大きく増しました。
もはや今までの経口内視鏡にも匹敵する画質ですので、
経鼻のみならず口から挿入する場合でも、
このカメラを使用することになりました。
胃カメラは細ければ細い方が楽に決まっています。
同じ画質なら細いカメラを選びますよね。
つまり経口も経鼻もこのカメラ1台です。
もう経鼻と経口を使い分けたり、
画質を犠牲にする時代が終わったのです。
本当に画期的なことですね。
当然ですが口からも細くなっただけ、
苦痛は相当軽減されます。
従ってこの内視鏡は経鼻でも経口でも、
両方において検査の質を高めたということになります。
先日口から検査を行った方が、
苦痛がほとんど無くなったことに驚いておられました。
「先生の腕が上がったのか」と聞かれ、
「そうですね」といいたいところでしたが、
正直にカメラが良くなったためと答えました。
私の腕が上がるに越したことはありませんが、
大事なのは検査を受けられる方が、
苦痛なく精度の高い検査を受けられることです。
理由は何だっていいんです。
皆様も機会がありましたら、
一度お試しくださいませ。
吉岡医院 吉岡幹博