2020年3月7日
いよいよ3月に入りました。
日も少しづつ長くなり、
私の毎日の出勤時間も、
少し明るくなってきました。
皆様はいかがお過ごしでしょうか。
今年は暖冬のだったので、
桜の開花が例年より早くなるそうですね。
春ももうすぐそこまで来ています。
例年であればこの時期は、
卒業や進学などもあり、
とてもわくわくする季節です。
しかし今年はそうはいきません。
例のコロナウイルス感染症のためです。
今週月曜日から学校が休校になりましたが、
こんな経験は40年以上生きていますが、
今回が初めてです。
この「令和」の時代における現代社会で、
歴史で習うようなスペイン風邪的な感染症で、
世界中が大打撃を受けるなど、
実は考えたとこはありませんでした。
どこかの偉い人が、
すぐさまウイルスの弱点を見つけ出し、
適切に対策しすぐに終息させてしまう、
そんなことを当たり前のように考えていました。
2009年の新型インフルエンザの時は、
タミフルが不足して大騒ぎでしたが、
今回は治療薬もありません。
感染力も思っているより強いのと、
発症するまでが長く感染に気付かないので、
封じ込めるのが極めて難しいですね。
国がいくら対策をしても、
水際で防げなかったとなると、
重要なのは我々一人一人の行動です。
ライブハウスやパチンコなど、
閉鎖環境で長時間いるような施設には、
行かない様になさってください。
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さて、
今回は当院の感染対策につき、
ご報告いたします。
とはいうものの、
当たり前のことばかりで、
特別なことはできておりません。
しかし物品が不足しているので、
正直当たり前のことをするのも、
中々大変な状況でもあります。
まずは医院の入り口です。
「ノンタッチ」方式のアルコール消毒を設置し、
院内に入る方全てに
擦り込み式の手指消毒をお願いしております。
また院内でも私も含め職員が、
その都度毎回消毒できるよう、
各診察室、受付に常備しております。
(写真左)
また玄関の自動ドアの押しボタンや、
各室のドアノブ、ソファーなど触れる所は、
70%のアルコールを散布し、
こまめに消毒を行っています。
(写真右)
これらのアルコール消毒材料は、
現在医療機関としても在庫が少なく、
卸さんを通しても納品困難な状況です。
アルコールスプレーのボトルまで、
品切れの状態で、私も折を見ては、
Amazonなどで探し何とか購入しています。
いつまでもつかはわかりませんが、
在庫があるうちは、
惜しまずに消毒は行ってきます。
患者様には受付にて症状をお聞きし、
発熱のある患者様は一旦院外に出ていただき、
ガレージ奥にある待合へ行っていただきます。
ここより中に入ると、
発熱外来の待合になります。
ここでお待ちいただきます。
時折窓やドアを開け
換気をさせていただきます。
待合の奥にある診察室です。
ここでインフルエンザや溶連菌などの、
迅速検査を行います。
また海外渡航歴のある患者様や、
微熱が4日をこえ続いている患者様など、
コロナウイルス感染症が少しでも疑われる方は、
発熱外来ではなく個室にご案内します。
医院の2階にある、
普段は使用しない検査の準備室を
隔離用の待合専用として使用しています。
ここで検体の採取まで行っています。
コロナウイルスの検体の採取は、
主にのどを綿棒で拭って行います。
その際に咳やくしゃみなどが起こると、
採取している人が高濃度に汚染されます。
そのため検体の採取には
細心の注意をもって行います。
インフルエンザの疑いでも、
N95マスクを着け、
フェイスシールドと手袋を装着し採取します。
N95マスクです。
N95マスクとは結核、麻疹、水痘など
空気感染予防策を必要とする病室に入室する
医療従事者が装着するものです。
このマスクもすでに品切れで、
何とか1箱だけ確保できました。
貴重なので使い捨てはできません。
N95の上から通常のマスクを着け、
感染の疑いがあればそのマスクを廃棄します。
使い捨てタイプのフェイスシールドです。
これはマスクにくっつけて顔を覆うタイプです。
これで飛沫から目を保護します。
さらに
コロナウイルス感染が疑われる場合ですが、
この時はより予防を行います。
当院でも先日コロナウイルスの疑い症例があり、
実際に検体を採取しました。
その時はとても慌てておりましたので、
十分な防御をしないまま採取しました。
幸いコロナウイルスは陰性でしたが、
今考えると危険な作業だったと思います。
今はその時の反省をもとに、
緊急時にも慌てることがないように、
必要なガウンやキャップと共に
セットを作ってあります。
あまりこのセットを使いたくはありませんが、
今後は機会が増えていくかもしれませんね。
以上当院での感染対策を
ご紹介いたしました。
今のところは
それほど緊迫した場面はありませんが、
今後拡大してくると
より厳格な対応が必要になります。
私も含め職員が感染しないよう、
そして皆様が安心して受診できるよう、
可能な限り対策していきたいと思います。
吉岡医院 吉岡幹博