京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院 京都市上京区
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10月の消費税増税について

2019年9月27日

早いもので9月も終盤ですね。
ようやく秋らしくなり、
そろそろ半袖シャツも終わりですね。

 

前回も申し上げましたが、
季節外れのインフルエンザが流行しており、
今週も1名検出されています。

 

また風邪の患者様も多くなってきました。
季節の変わり目です。
皆様も体調管理にお気を付けください。

 

 

 

 

さて間もなく10月です。
いよいよ消費税が、
8%から10%になりますね。

 

消費税も段階的に上がり、
とうとう2けたになりました。

 

振り返ってみると、
初めて消費税が導入されたのは1989年4月で、
3%からでした。

 

もう30年前のことなんですね。
計算上わたしは高校生でしたが、
その時のことはあまり記憶にはありません。

 

その後1997年4月から5%、
2014年4月から8%、
そして2019年10月に10%です。

 

5%から8%に上がるまで17年、
ずいぶんかかったのですね。

 

悪夢の民主党政権、
2011年の東日本大震災と
日本経済が低迷した時期でもあります。

 

そしてそれから5年を経て、
いよいよ10%台にのりました。

 

物を買うのに1割増しとなると
今回の増税はさすがに
重い感じがします。

 

 

また今回は軽減税率導入や、
キャッシュレス決済のポイント還元と、
結構ややこしいですね。

 

ポイント還元は
2020年6月30日までの期限付きです。
慣れてきたころに終わる感じでしょうか。

 

何となくポイントという言葉に、
踊らされている感じがします。

 

 

因みにポイント還元につきましては、
医療機関は対象外となっています。

 

自由診療でも補助対象外とされているため、
すべての医療機関での診療は
ポイント還元の対象外となるようです。

 

 

ところで皆様は、
窓口で払う医療費の消費税がどうなるか、
ご存知でしょうか。

 

8%のまま?10%に上がる?

 

答えは…、保険診療には、
消費税はかかっておりません。
もともと非課税です。

 

ということは、医療機関は
お薬や医療材料を仕入れていますので、
そちらに対する消費税分の持ち出しが、
多くなります。

 

医療費では消費税分を回収できませんので、
消費税増税は医療機関にとって、
支出のみの増加となってしまいます。

 

そこで10月より、
消費税分の補填のために、
診療報酬の一部が改正になります。

 

通常は2年ごとの4月に改正になりますが、
今回は消費税増税に合わせた10月の改正で、
臨時の措置ということになります。

 

全ての診療報酬を一律で上げるのではなく、
一部の報酬項目に代表させて
上乗せ措置を講じています。

 

具体的には初診料や再診料のほか、
入院にかかる基本料や管理料、
保険薬局の調剤基本料などが対象になっています。

 

【外来診療の場合】1例を挙げますと、
初診料 2820円 → 2880円
再診料720円 → 730円
(窓口負担はこれの1~3割負担)

 

実際にはもっと多数の項目で
点数の改定が行われ、全体でいきますと
医科は+0.48%の改定となっています。

 

あまりピンとこない数字ですが、
医療における消費税2%分の持ち出しは、
診療報酬全体では0.48%に当たると
いうことなのでしょう。

 

 

この消費増税分の補填作業は、
厚労省が行うのですが、
過去にはこんなこともあったようです。

 

平成26年度消費税率が5%→8%に
引き上げられた際、
補填率に集計ミスがあったそうです。

 

前回の増税の際の集計ミスに対する
プレスリリースです。

日本医師会から厚労省に抗議文
(平成30年8月30日)

 

 

多くの医療機関、特に病院は、
消費税増税と共に消費税分の持ち出しが増え、
赤字に転落したと記憶しております。

 

厚労省は最近でも、
「毎月勤労統計」で重大な集計ミス、
不正が発覚しており信用できませんよね。

 

 

今回の消費増税は制度がかなり複雑で、
各方面で様々な影響が出ると思われますが、
しばらくは適正に行われているか、
注意が必要と思います。

 

大きな混乱もなく、
増税分の恩恵を国民全体が享受できることを
願っております。

 

 

 

吉岡医院  吉岡幹博