2019年7月17日
祇園祭ですね。
蒸し暑くなってきました。
それでも今年は梅雨が遅れているせいか、
この時期の例年のような暑さが
少しましのような気がします。
祇園祭の宵山ともなれば、
なんでこんな暑い中大勢の人と
歩かなければならないの?
と思うくらいの暑さですもんね。
京都の人はあまり
出かけたがりません(笑)
祇園祭が終わると
京都の夏もいよいよ本番です。
皆様も体調管理なさってくださいね。
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さて今回は、
大腸カメラの準備で用いる
腸管洗浄剤のお話です。
大腸カメラを受けられた方は
ご存知のことと思いますが、
大腸カメラを受けるにあたり、
前処置はとても大変な作業です。
検査中の苦痛より、
下剤を大量に飲む前処置の方が苦手と
おっしゃる方も少なくありません。
例えば
胃カメラを受けるときには、
一晩絶食にするだけで準備ができます。
わざわざ胃を空っぽにするお薬を
飲む必要はなく、
食べなければ胃は自然と空っぽになります。
しかし
大腸はそうはいきません。
大腸の中には、
多かれ少なかれ便がたまっています。
カメラで観察するにはこれらをすべて
取り除かねばなりません。
いくら便秘薬を飲んでも、
便はきれいにはならないことが多いので、
検査前に腸管洗浄剤を使用するのです。
腸管洗浄剤は下剤とは違い、
腸管ではほとんど吸収されない薬剤を
大量に飲むことにより、
腸の中を物理的に洗い流すものです。
当院で主に用いている腸管洗浄剤は、
「ニフレック」というものです。
今回はその「ニフレック」を
「モビプレップ」という腸管洗浄剤に
変更したというお話です。
メーカーが同じなので、
ネーミングも何となく似ています。
因みに
モビプレップは
決して新しい腸管洗浄剤ではありません。
おそらく10年位前から
あると思います。
それを今回変えたのは、
やはり飲み方が少しでも
ニフレックより楽なように感じたからです。
ニフレックの飲み方は単純です。
粉末の入ったバックの中に2Lの水を入れ、
良く振って溶かした液体を、
10分ごとに200mlずつ飲みます。
大体半分くらい飲むと下痢便が出始め、
腸の中が洗い流されます。
最終的には固形物がなくなり、
便も透明の液体に近くなれば終了です。
ただこれだけのことです。
単純でわかりやすいのですが、
おいしいとは言えない腸管洗浄剤を
ひたすら飲み続けるのは大変です。
途中で味が受け入れられなくなり、
もう飲めないとおっしゃる方や、
軽い吐き気を言われる方もおられます。
味はどうかといいますと、
メーカーは「爽やかレモン味」といっていますが、
とても爽やかではないですしレモンとも違います。
出始めの頃のポカリスエットを連想させます。
少し塩味のするまったりとした味です。
私も飲める方ですが好きにはなれません。
一方モビプレップはといいますと、
同じように2Lの腸管洗浄剤ですが、
飲み方がニフレックとは異なります。
ニフレックはひたすら飲み続けるのに対し、
モビプレップはコップ2杯分を飲んだのち、
水またはお茶を1杯間に挟みます。
味はどうかというと、
ニフレックよりははっきりとした、
梅のような味がします。
やや酸味がある感じはしますが、
爽やかさでいうとニフレックよりいいと思います。
また味もスッキリしているように思います。
それより、2回に1回の割合で、
お水またはお茶を飲んで、
「休憩」できるところがいいと思います。
モビプレップの場合は、
モビプレップ1L、水500mlを飲んだところで、
便がきれいになれば終了です。
必ずしも2L全て飲まなくてもいいので、
普段便秘のない方や、
早くきれいになった方には恩恵がありますね。
先日私は他院で大腸カメラを受けましたが、
その際に使われていたのがモビプレップでした。
飲み方が少し煩雑で、
面倒なのではないかと思ておりましたが、
案外簡単でスッキリ飲めました。
これなら飲み方を迷うこともないし、
当院の職員もすぐに案内できる様なると思い、
変更することにしました。
腸管洗浄剤はもっと楽なものが出てほしいと、
ずっと待っているのですが、
なかなかいいのには出会わないですね。
モビプレップが少しでも、
当院での大腸カメラの検査の負担を
軽くしてくれるといいのですが…。
また皆様の感想をお聞かせください。
吉岡医院 吉岡幹博