京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院 京都市上京区
診療時間 午前9時~/夜診17時~
婦人科は夜診なし
休診日 木・日・祝/土(午後)
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肛門外科の師匠

2019年7月7日

史上最も遅い梅雨入りから、
やはりぐずついた天気が続いていましたが、
本日は少し中休みですね。

 

九州では連日の大雨で災害も起きています。

 

今のところ近畿地方は大雨は降っていませんが、
昨年の西日本豪雨のこともありますので、
油断はできません。

 

これからの季節、
天候不順が多くなりますので、
皆様も体調管理と自然災害にご注意ください。

 

 

 

 

さて、
今日は肛門外科のお話です。

 

当院は消化器内科を中心に、
肛門外科もおこなっておりますが、
肛門外科は実はとても奥の深い分野です。

 

医学生時代の勉強や講義にも、
胃や大腸などは詳しく勉強するのですが、
肛門に関してはほとんど学びません。

 

私の記憶でも、
1コマ?あったかどうかです。
(サボっていたわけではありません)

 

胃や大腸はがんの頻度も多い臓器で、
命にかかわるような病気も多く、
診断や治療が比較的確立されされています。

 

それに比べて肛門は、
病気があるとしても痔や裂肛が主で、
肛門管がんも存在しますが、
頻度はかなり少ないです。

 

恐らく、
命にかかわる病気が少ないということが、
学びの機会が少ない原因の一つと思われます。

 

私も開業し肛門外科を継承する際に、
肛門外科については、
改めて勉強しなければなりませんでした。

 

それほど肛門外科というのは、
簡単そうで難しい学問なのです。

 

 

ところで、
私には肛門外科の師匠の先生がいます。

 

今現在、
私が肛門外科で行っている治療も、
その先生から教わったことがとても多いです。

 

その先生とは、
梅田で開業されている黒川梅田診療所の
黒川彰夫先生です。

 

初めてお会いしたのは約7年前、
私が開業して間もない頃のことでした。

 

大阪で開催された、
「内痔核硬化療法(ジオン注)」の研修会で、
先生は講師をされていました。

 

個人的に質問をしたことがきっかけで、
先生から梅田にある診療所に、
見学に来るように誘っていただいたのです。

 

「なんてオープンな先生だろう」
と思い見学に行きました。

 

そこでは様々な肛門の病気を、
日帰りで治療されていました。

 

当時の私には、
痔の治療を日帰りで行うイメージが
あまりありませんでした。

 

麻酔法一つにしても、
入院は必要だろうと思っておりました。

 

梅田の診療所に見学に行き、
そこで行われている治療法や手術は、
私が外科時代に習った方法とは大きく異なっていて、
とても驚いたのを覚えています。

 

「これはしっかりと学ばなければならない」
その日から私は2週間に1回のペースで、
午後から見学に行くことにしました。

 

黒川先生の手術開始は2時半からです。

 

私は1時に午前診が終わると医院を飛び出し、
地下鉄とJRを乗り継いで梅田に向かいました。

 

お昼ご飯はJRの車内やホームで、
おにぎりなどをコソコソ頬張っていました。

 

何としてでも手術を最初から見たい、
その思いから毎回急いで行き、
梅田で2時間ほど見学したのち、
京都に戻り夜診を行っていました。

 

行くと先生はいつも笑顔で、
「よく来たね」と迎えてくださいました。

 

今から思うと手術もさることながら、
その先生の人柄や患者様に対する姿勢も含め
学びに行っていたのだと思います。

 

それから約2年半にわたり、
梅田には見学に行かせていただきました。

 

その後
私の仕事が忙しくなり行けなくなったのですが、
先生のご指導は私の診療に大きく影響しています。

 

 

黒川先生は全国でも有名な肛門外科の先生で、
関西では肛門外科の先生の中では、
知らない先生はおられないと思います。

 

大変人柄の良い先生で、長年にわたり
肛門外科をリードされてこられましたので
お弟子さんも多くいらっしゃいます。

 

 

毎年先生の誕生日である7月に、
先生を囲む会が開かれます。
関西一円から先生が集まりお祝いします。

 

今年も昨日(7月6日)に梅田で、
囲む会が開かれました。

 

東京から来られる先生や、
飛行機で愛媛県から来られる先生もあり、
先生がいかに慕われているかが分かります。

 

私も嬉しいことに
お声をかけていただきますので、
毎年参加させていただいています。

 

年に1回、学会以外で黒川先生にお会いでき、
治療についての相談から他愛無い雑談までできる、
貴重な機会です。

 

同時に関西肛門外科の著名な先生方とお話しでき、
いろいろ情報交換もできることも
私にとっては大きな刺激、勉強になります。

 

昨日も私にはマニアックすぎてわからない
痔の手術の際の縫い方の違いの議論など、
興味深い話がたくさんありました。

 

肛門外科は奥が深く、
開業しているとどうしても診断に迷ったり、
治療に困ったりすることがあります。

 

その際に相談できる先生がいるというのは、
大変心強いとともに、
自分自身の財産のようなものです。

 

 

これからもこのような交流を大切にし、
時間が許す限り学会にも参加し、
当院の医療が向上するよう頑張りたいと思います。

 

 

 

吉岡医院  吉岡幹博