京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院 京都市上京区
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麻疹(はしか)にご注意ください

2019年2月17日

日によっては
日中の日差しが暖かく感じる日が
少しずつ増えてきました。

 

京都市のインフルエンザ発生状況も
警報から注意報へ格下げされ、
少し下火になってきました。

 

当院の発熱者専用診察室も、
今は数名が利用される程度です。

 

皆様はお変わりなくお過ごしでしょうか。

 

 

さて、
皆様もニュースでお知りに
なっていることかと存じますが、
麻疹(はしか)の感染が拡がっています。

 

京都府では1月28日、
山城南保健所管内で麻しんの患者さんが発生した
ことから始まりました。

 

この患者さんは1月の下旬に、
近鉄京都線、京都市営地下鉄、京都市バスを
利用したことが分かっています。

麻疹は感染すると約10日後に
発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れ、
2~3日熱が続いた後、
39度以上の高熱と発疹が出現します。

従ってこの方から感染者が出るとすれば、
10日の潜伏期間後となり2月7日前後と
推測されます。

 

当院でも疑いのある方が受診しないかどうか、
気を付けながら診療をしておりました。

 

すると2月6日、
山城南保健所管内の医療機関から
麻しんの発生届の提出があり確定されたとの
情報提供が京都府よりありました。

 

タイミングやエリアを考えると、
最初の方の麻疹がうつったのではないかと、
考えられます。

2次感染が起こったものとすると、
今後増える可能性があります。

 

また2月10には京都市内の医療機関から、
麻疹患者の届け出があり麻疹と確定されました。

この方は東京在住の方でカンボジアから帰国後、
発熱がある状態で東京から新幹線で京都にきて、
発疹が出て判明したそうです。

従って最初の患者さんとは関係なさそうですが、
新幹線で移動したところに、
かなり多くの方が感染の危険に
さらされたことになります。

 

また東京から京都と、
かなりの範囲にわたりウイルスが拡がった
可能性があると思われます。

 

このように立て続けに、
京都府内で麻疹の患者さんの
報告がありました。

患者さんの年齢は20代と30代と若い方です。

 

この患者数が例年と比べるとどうなのか、
参考までに
京都市の過去5年間の麻しん発生状況を調べました。

すると下のようになりました。

 

年/市内発生数
平成26年/4名
平成27年/0名
平成28年/2名
平成29年/1名
平成30年/1名

 

1年間でもたかだか数名です。
麻疹患者さんって
普段はほとんど出ないのですね。

そう考えると
今回の感染がこれからどうなるのか、
とても心配になります。

 

京都府周辺で見てみるともっと驚くのことに、
あべのハルカスで16日までに、
従業員など19人に感染が見つかったそうです。

 

大阪府では今年に入り、
43人もの感染者が出ているとのことです。
お隣でこれだけ出ると京都にも影響しそうですね。

 

 

では麻疹の感染はどのようにしておこり、
感染するとどうなるのでしょうか。

 

麻疹は感染者の咳やくしゃみを浴びなくても、
空気中を漂うウイルスを吸うだけで、
感染が成立してしまいます。

空気感染しないインフルエンザと違い、
感染力は10倍とも言われています。

感染すると10~12日の潜伏期間ののち、
38度台の熱、せき、のどの痛み、鼻水などが数日続き、
この期間をカタル期といいます。

発熱の1日ほど前から感染力をもち、
カタル期が最も感染力が強く、
カタル期を過ぎると一時的に熱が下がりますが、
すぐに39~40度の高熱とともに発疹が現れます。

従って発疹が出て麻疹が疑われる頃には、
すでに接触した人に、
感染させている可能性があるのです。

 

ではどのような方が、
感染しやすいのでしょうか?

 

50歳より上の世代であれば、
子どもの頃に麻疹にかかり、
抗体ができていることが多いです。

また若い世代は
2度の予防接種が定期接種化しているため
抗体を持っている人が多いです。

これに対しはしか患者が多かったのは
18~40歳だそうです。
この中間世代は抗体を持っていないか不十分なため、
ウイルスから身を守れない人が多いとのことです。

 

従ってワクチンを受けた方が良いのは、
この年代の方々です。

また特に医療従事者や学校関係者・保育福祉関係者など、
麻しんにかかるリスクが高い方や
麻しんにかかることで周りへの影響が大きい場合、
また流行国に渡航するような場合もうけた方がいいです。

 

では、
もし麻疹にかかったのかなと思った時に、
どうすればいいのでしょうか。

 

発疹、発熱などの麻疹のような症状がある場合は、
麻疹の疑いがあることを
かかりつけ医または医療機関に電話でお伝えください。

 

決して医療機関の窓口に、
直接行って相談しないようにしてください。
その時点で周囲にうつしてしまうことになります。

 

これはとても重要です!

 

そして受診の要否や注意点を確認してから、
その医療機関の指示に従ってください。

 

麻疹の感染力は非常に強いと言われています。
医療機関へ移動される際はマスクを着用し、
公共交通機関の利用を可能な限り避けてください。

 

ということで、
麻疹の流行について
簡単にご説明いたしました。

 

当院は決して、
麻疹医療にたけている医院ではありませんので、
細かいことを聞かれてもお答えはできません。

 

まずは自分がかからないようにワクチン等で対策を、
そしてかかってしまった時には、
周りに広げない注意が必要だと思います。