京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院 京都市上京区
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大腸カメラは何歳から受けるといいのでしょうか?

2017年11月7日

インフルエンザの予防接種で、
外来が少しずつ混雑してきました。
これから年末までは、
何となく忙しい毎日になりそうです。

 

そして本日より、
17時からのインフルエンザ予防接種枠が
スタートしました。

 

これから12月末まで、
火曜日と金曜日の17時から18時まで、
インフルエンザ専用枠で接種を行います。

 

今年は予防接種の供給量が少なく、
当院も頑張って頼んでいるのですが、
まだ十分量の入荷ができていません。

 

 

従ってまだ予約待ちの状況が続いておりますが、
少しづつワクチンが入ってきております。
接種がまだの方は早めにご予約下さい。

 

 

さて、
今回は大腸カメラについてのお話を
少しさせていただきます。

 

よく外来で訊かれるのが、
「大腸カメラは何歳くらいから受けた方がいいのですか?」
という質問です。

 

大腸カメラは人間ドックにも入っておりませんし、
胃カメラに比べると時間も労力もかかる検査です。
多くの方が受けたくないと思っておられます。

 

受けなければならないと分かっていても、
ちょっと勇気がいりますよね。

 

何歳から受けた方がいいという、
決まった見解はないと思いますが、
おおむね一致しているのは40歳からです。

 

厚労省の大腸がん検診は「便潜血」ですが、
40歳以上を対象としています。
つまり40歳から大腸がんのリスクがあがるということです。

 

 

大腸がんによる死亡は40歳から増え始め、
50歳から急増し、60歳台でピークになります。
従って初めて受けるのは40歳が望まれます。

 

私の個人的な見解にもなりますが、
出来れば40歳で無症状であっても、
(検診の便潜血で陰性であっても)
人生の節目として、
大腸カメラを受けるといいと思っております。

 

 

一度検査をすると、その方の腸の状態、
全く正常なのか、何か異常があるのか、ポリープがあるのか、
その時点で一度評価することができます。

 

全く異常がなければ、ひとまず安心です。
次は5年後の45歳くらいに、
また節目検診として受けていただくといいと思います。

 

もし小さいものでもポリープがあれば、
出来る限りその場で切除し、
芽を摘んでおくのがいいと思います。

 

小さければ入院の必要がないこともありますし、
次回切除しようと思っていても、
結局忙しくて何年も放置することも考えられます。

 

そしてこの「ポリープの見つかった場合」は、
念のため1年後に、
再検するのが望ましいと考えております。

 

大腸カメラは比較的見落としの多い検査です。

 

このように堂々と言うと語弊がありますが、
大腸にはひだが多く、また曲がりくねっているために、
死角が多くなります。

 

1年後に受けていただく理由は、
新たにポリープができるかもしれなということよりも、
1回の検査で発見できていないポリープが、
あるかもしれないということなります。

 

 

従ってポリープが見つかった方は、
ポリープができやすい体質であると考え、
慎重に経過を見る必要があるのです。

 

 

以上より、私のご提案としては、

 

◎40歳になったら一度大腸カメラを受ける。

 

◎ポリープが無ければまた5年後。

 

◎ポリープがあればその場で治療し、
また1年後に再検査。

 

こんなイメージで考えております。

 

また便潜血検査の結果で、
大腸カメラを受けるかどうか、
判断するという方法もあります。

 

しかし便潜血検査には、
次のような報告があります。

 

『便潜血検査が陰性であったからと言って
大腸にポリープやがんが全く無いとは
言い切ることは出来ません。

 

たとえ進行大腸がんがあってもその約30%は
便潜血検査陰性となります(偽陰性)。

 

一方、便潜血検査陽性の結果が出ても、
必ずしも大腸にポリープやがんが
存在するとは限りません。

 

便潜血検査陽性の人の約30〜40%は、
検査をしても大腸に病変を認めません(偽陽性)。

 

すなわち
大腸がんのスクリーニングに用いられる便潜血検査は
簡便で楽な代わりに
それぐらいの精度でしかないと言うことです。』

 

「大腸がん検診」
|大腸の病気|大腸・肛門の病気について|
日本大腸肛門病学会 JSCP  より抜粋

 

以上より、
便潜血は必ずしも安心できないと思います。
(何もしないよりはましです)

 

しかも便潜血検査のターゲットは、
あくまでも出血を伴いやすい、
「大腸がん」になります。

 

小さなポリープや病変は、
出血しないので評価できません。

 

私は大腸がんになる前の、
良性のポリープの段階で発見し、
治療したいと思っております。

 

言い方は良くありませんが、
便潜血が陽性になるまで、
つまり病変が「大腸がん」になるまで、
待っている必要はないと思います。

 

従って、検査でひっかかる前の、
無症状の段階で検査を行うことが、
私は重要だと考えています。
(あくまでも個人的な意見です)

 

では50代以降で、
大腸カメラを受けたことの無い人は、
どうすればいいのでしょうか。

 

当たり前のことですが、
これからなるべく早めに、
無症状のうちに受けていただきたいと思います。

 

 

大腸がんは、
必ずしも大腸ポリープを経て
できるものとは限りません。

 

しかし、定期的に検査をし、
「にらみ」を利かせているだけで、
大腸がんで命を落とすことは少なくなると思います。

 

 

ということで長くなりましたが、

 

◎大腸カメラは40歳で一度受けてみる。

 

◎すでに40歳を過ぎていても、
無症状のうちに一度大腸カメラを受けておく。

 

 

このことが重要ではないかと考えております。

 

あくまでも個人的な意見で、
科学的根拠はありませんが、
一つの考え方として見ていただければ幸いです。