京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院 京都市上京区
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お薬の種類は控えめに・・・

2017年8月7日

8月に入りました。
暑さもいよいよ本番です。

迷走台風が、
結局日本縦断のコースに入り、
今日は近畿地方直撃ですね。

京都市内はあまり台風の被害を受けないのですが、
この台風勢力が大きいそうですので、
皆様もご用心ください。

 

来週当院はお盆のお休みをいただきます。

8月14日(月)~16日(水)まで
休診です。

大変ご迷惑をおかけしますが、
よろしくお願いいたします。

 

 

さて今日はお薬の話です。

皆様の中には、
定期的に病院に通いされ、
お薬をもらっている方もおられると思います。

病気が1つで軽い方は、
お薬が1種類か2種類でしょうか。

例えば高血圧のある方では、
通常は1~2種類程度で管理することが多いですが、
それでも効かない方は3剤併用ということもあります。

また病気が複数ある方ですと、
通常お薬は多くなります。

例えば糖尿病のある方では、
高血圧や高脂血症を持っていることが多く、
それぞれの薬が処方されます。

よくあるのですが糖尿病で3種類、高血圧で2種類、
コレステロールに1種類処方すると、
あっという間に6種類にもなります。

人によってはさらに胃腸薬も必要だし、
心臓のお薬、脳梗塞のお薬、腰痛のお薬も・・・、
となる方も少なくありません。

 

そうなると病気の数だけお薬が増え、
10種類くらい飲まれている方もいます。
患者様にとってはお薬を飲むこと自体が一仕事です。

しかしお薬同士の飲み合わせは大丈夫か、
個々の薬剤の副作用は大丈夫か、
実際にはあまりわからないこともあります。

お薬が増えるとその分だけ、
副作用のリスクを負うことになりますし、
お薬の相互作用も複雑になります。

 

最近この薬物による副作用が、
医療界では大きな問題になっております。

 

ある急性期病院では、
高齢者の緊急入院の原因の3~6%は、
お薬の副作用によるものだそうです。

病気の治療のためのお薬で体調を崩し、
緊急入院となるということです。
何のためのお薬かわからないですね。

更に75歳以上高齢者に限ると、
実に入院原因の15%に上るそうです。

普段から多くのお薬を飲むのは、
副作用によるリスクも高くなるのですね。

 

最近ではこんな言葉が、
用いられるようになりました。

お聞きになった方はおられますでしょうか?
『ポリファーマシー』という言葉。

 

ポリファーマシーとは、
ポリ(多い)とファーマシー(薬剤)を合成した造語で、
投与薬剤が多い状況を指しています。

大体5~6種類以上のお薬が
投与されている場合に、
ポリファーマシーと呼ばれています。

ある東京の病院の入院患者さんの調査では、
6剤以上の投与で、
副作用が有意に多くなったと報告されています。

また診療所に通院されいる患者さんでは、
5剤以上の内服をされいる方で、
転倒の発生頻度が有意に増加したそうです。

 

その様な理由で、
大体5~6種類以上のお薬を飲んでいる場合を
ポリファーマーシーと呼んでいるそうです。

ご高齢の方で問題になることが多いのですが、
その要因として以下のようなことがあるようです。

複数の病気を抱えるために、
複数の診療科を受診され、
結果として多剤併用になりやすいこと。

慢性的な病気が多く、
どうしても長期服用することが多いこと。

肝臓や腎臓などの各臓器が弱っていると、
本来なら問題とならない常用量でも、
血中濃度が上がり過量投与になってしまうことがあること。

認知機能や視力・聴力の低下のため、
お薬の量や飲み方をを間違えて
内服してしまうことがあることだそうです。

 

どうしても必要なお薬はあると思いますが、
医療者側としては優先順位をつけて、
できるだけお薬を減らす努力が必要です。

でも実際のところ多くの病気を抱えると、
特に症状が強い場合は、
どのお薬も大事で減らすことが難しいことも多いです。

 

大切と思われることは、

ずっと同じお薬を漫然と出し続けていないか、
お薬の効果と副作用がどうなのか、
患者様はきちんと飲めているのかどうか、

このようなことを
定期的に評価することかと思います。