2017年1月27日
1月も終盤となり、
極寒の毎日ですが、
皆様お変わりありませんか?
空気が乾燥しているせいか、
インフルエンザの患者様が
多くなってきました。
当院には富士フイルム製の、
インフルエンザを高感度で検出する
迅速検査器があります。
発熱から数時間しか経ってなくても、
検出可能な場合がありますので、
診断を急がれる方はご相談ください。
●
さて、
今日は医療とICTについて考えてみます。
私もあまり得意な分野ではありません。
それでも最近はアマゾンや楽天といった、
ネットで宅配してくれるサービスが増え、
買い物もずいぶん楽になりました。
外出する機会も、
少なくなったかもしれません。
皆様はよく利用されますか?
私の場合は特に、
家電量販店や町の本屋さんに、
立ち寄ることが少なくなりました。
またLINEやFacebookなどSNSで、
情報の発信、共有が、
リアルタイムにできる環境になりました。
私はあまり積極的には活用しませんが、
かろうじてFacebookには登録し、
なんとかネット社会とつながっています。
しかし時代の流れです。
このようなネットを活用したサービスは、
医療界でも徐々にですが、
取り入れられて来ています。
まずは訪問診療の現場です。
訪問診療では病院とは違い、
多職種の担当の方が、
バラバラに患者さん宅にやってきます。
これまではそれぞれの職種が得た情報は、
電話やFAXでやり取りをしていました。
しかし一度に全員で共有できませんでした。
最近は全国的に医療版SNSを用いて、
患者さんごとにグループを作り、
情報共有ができるようになりました。
京都では京都府医師会が中心となり、
「京あんしんネット」という非公開型SNSが、
使用されています。
私はまだ登録していませんが、
無料で使用でき、医師会に届け出れば、
医療関係者であれば使用できるようです。
「京あんしんネット」は、
MedicalCareSTATION というソフトを、
ベースに使用しています。
全国的にも主にこのソフトが使用され、
各都道府県の医師会が中心となり、
その地区に合わせた形で運用しています。
今後は高齢者が増加し、
在宅医療の患者様が増加します。
煩雑な作業を少しでも簡素化しなければ、
医療は成り立たなくなります。
これからは必需品となることでしょう。
また、
一方でさらに革新的な動きもあります。
関東を中心に、
パソコンやスマホを用いて、
遠隔診療を支援する業者が現れました。
遠隔診療とは通院することなく、
スマホの画面上で医師と対面し、
お薬の処方も含め診療を行うことです。
サプリメントや医薬品を販売する、
美容整形等の自由診療をするクリニックが、
主に導入されているそうです。
また内科的な慢性疾患の患者様に、
定期的な通院とは別に、
お薬だけを処方するとこもあるそうです。
家に居ながら診療を受けられ、
クレジットカードで決済ができ、
お薬は宅配で届くのです。
忙しい方には、
きちんと診療を受ける機会が、
できるかもしれません。
でも、
気をつけないといけないことも
出てくると思います。
今はないのですが、
将来的に次のようなことが
現実に起こるかもしれません。
例えば楽天やアマゾンなどの大手サイトに、
「医療」のボタンができ、そこをクリックすると、
医師とつながるようになるかもしれません。
また将来AIなど導入された日には、
医師の確認はそこそこに症状の入力のみで
自動で診断、治療されるかもしれません。
24時間対応のサービスも
おそらくできるのではないでしょうか。
きっと便利になるとは思います。
しかし病気の見落としや、
誤処方などが起こるかもしれません。
そして、責任の所在は?
・・・正直なところ、
今では公的な面も大きい医療経済を、
ICT が大きく変えてしまうのではないかと、
少し心配しております。
大手資本が医療をビジネスとしてのみ、
扱うところが出てくるとすると、
公平性・安全性が担保出来なくなります。
・・・ちょっと恐ろしいですね。
しかし時代の流れは、
そう簡単には変わらないと思います。
ICT の波は規制緩和も含めて、
今後の医療に、近い将来、
大きな変化をもたらすと思います。
この中にはもちろん、
いいこともあれば、
良くないこともあると思います。
今後、
私たちに必要とされるのは、
社会に貢献する良質なサービスと、
利益だけを追求した無責任なサービスを、
きちんと見極めることだと思います。