2016年4月7日
4月になり新年度がスタートしました。
少しずつ暖かくなり、
桜の美しい季節ですね。
私も少し気が緩んだのか、
軽く風邪をひいてしまいました。
皆様はいかがお過ごしでしょうか?
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さて今年の4月は、
2年に1度の『診療報酬改定』の
タイミングに当たります。
全ての保険診療は値段が決まっており、
国が決めた値段をもとに、
患者様から1割から3割を窓口で頂いております。
現状はご存知の通り、
急速に進む高齢化社会に伴い医療費は増大し、
国は深刻な財源不足に陥っております。
今回の改定は見かけ上は+0.49%の上昇、
(プラス改定と言います)ですが、
実質的な部分ではマイナス改定と言われています。
安部政権の物価上昇2%の目標や、
消費税10%へ増税を掲げている中、
マイナスとはまたどうしてと思います。
保険診療には消費税の上乗せができませんので、
物価上昇や消費税増税の負担増は、
単なる支出の増加となってしまいます。
とりわけ医療界も厳しい状況ではありますが、
今や日本の大企業も含め、多くの中小企業も
経営的に厳しいことには変わりありません。
医療界のみが優遇されるわけにもいきません。
これからも良質な医療サービスを提供できるよう、
日々努力・工夫を行っていくしかないようです。
ところで、
今回の改定では、
今後迎える高齢化社会に対応すべく、
以下の項目に重点が置かれています。
○在宅診療や地域包括支援の強化
○認知症に対する取り組みの強化
○かかりつけ医に対する評価
○後発薬品(ジェネリック)の推進
○診療所や病院の機能分化
2025年、日本の高齢化は急速に進み、
そこを医療崩壊、財政破たんすることなく,
乗り越えなくてはなりません。
個々の項目に対する詳細は省略いたしますが、
先ほど挙げた主要項目は、
全てそれらを見据えたかじ取りになっており、
今後の改定でも強化されると思われます。
患者さんは『かかりつけ医』を持ち、
『かかりつけ医』は認知症も含め、
あらゆる病気の初期対応を必要とされます。
限られた入院資源を有効に活用するため、
高齢者はできる限り在宅での診療で、
急性期のみ病院で対応しようとするものです。
また無駄なお薬を減らすため、
内服薬の数に制限を設けたり(湿布も制限されます)、
薬局での残薬整理なども行われます。
ジェネリック医薬品の推奨も、
何もジェネリックが評価されているわけでなく、
安い薬を使って財源を抑制したいだけです。
このように国は医療費の抑制に必死です。
高度経済成長やバブルの時代の経済状況と、
明らかに違いますので仕方ありませんね。
日本の保険制度の診療報酬は、
諸外国に比べると、
かなり安価に設定されています。
それでも日本人の平均寿命は、
世界でもトップレベル、
医療技術も高水準を維持しています。
このあたりは日本の医療機関の努力や、
個々の医師のモラルや自己犠牲に、
一部支えられているのではないかとも思います。
私も日々研鑽をつみ、
これから必要とされる『かかりつけ医』として、
地域医療に貢献したいと思います。
・・・ということで、
4月より皆様の窓口負担が、
少し変わるかもしれません。
当院での通常扱っている診療内容では、
大幅な変更にはならないと思われますが、
何かご不明な点は、
遠慮なくお尋ねください。