2016年2月7日
インフルエンザの流行もあり、
当院の小児科は連日混雑しております。
発熱者専用診察室もフル回転です。
患者様には待ち時間が長くなり、
ご不便をおかけしております。
しんどい中お待ちいただき申し訳ありません。
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さて今日は当院の、
新しくなった内視鏡システムについて、
少しお話をいたします。
当院ではずっと、
オリンパスの内視鏡を使用しています。
私が当院で診療を始めた5年前に、
当時の最新システム(ハイビジョン・NBI付)
を購入し検査をしております。
オリンパスは今から3年前にフルモデルチェンジを行い、
それ以降に出る最新の内視鏡は、
新しいシステムでないと使用できなくなりました。
そのため最新の経鼻内視鏡
(極細径で鼻から入れる内視鏡)は、
当院のシステムでは使うことができませんでした。
ずっと必要と思っていたものでした。
その経鼻内視鏡を今回、
ようやく最新式のものに、
買い替えることができました。
本体のシステムそのものも更新しましたので、
従来の胃カメラ、大腸カメラを接続しても、
非常に明るくきれいに見えます。
そして経鼻内視鏡も、
従来当院で使用していた一世代前のものより、
飛躍的に画質が向上しました。
今までは当院の胃カメラのメインは、
ハイビジョンで高画質の経口内視鏡でしたが、
これからは経鼻内視鏡に変わると思います。
これもやはり一つの技術革新ですね。
以前の経鼻内視鏡は細さが追求され、
どちらかというと画質は置き去りにされていました。
それが今では経口内視鏡の約半分の太さで、
ハイビジョンの画質に迫っているのですから、
本当にすごい進歩だと思います。
(注:強調はしておりますが、
経口のハイビジョンの画質には、
まだ明らかな差はあります)
これからは通常の検査は経鼻内視鏡で、
がんが疑われるなど精度を要する場合には経口内視鏡と
守備範囲が変わってくると思われます。
ある関東の大学病院でも、
通常の検査をすべて経鼻内視鏡に切り替えた、
という話も聞いたことがあります。
それくらい信頼度が上がっているようです。
機械が進歩すれば、
それを使う人間も技術が要求されます。
それについて行けるように日々努力です。
しかし、このシステムの『エリート』という名前、
地道を行く私には、
どうも馴染めないネーミングですが・・・。
名前負けしないように、
技術を向上させながら、
最大限に使いこなしたいものです。
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私は医療機器の購入の際、
納品に来たメーカーの担当者に、
この時とばかりに悪態をつく癖があります。
今回のオリンパスの時も、
「おたくの内視鏡システムは、フジフイルムなど、
他のメーカーと比べても、明らかに高すぎる!」
「粉飾決算で一時期危なかったのに、
騒動が収まるとまた今まで通り、
不透明で横柄な体質に戻っている!」
などとごちゃごちゃ不満を述べていると、
担当者が後日、
「先生こんなのがあったのでよかったらどうぞ」と、
ボールペンを私に差し出しました。
ボールペンごときで大げさな!
と思いましたが、出てきたものは、
これです ↓
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、
ボールペンのクリップの位置には、
内視鏡のダイアルがついています!
ダイアルは動きませんが、
内視鏡で言うzoomのボタンを動かすと、
ペン先が出る仕組みです!
「すいませんが、あと10本程いただけませんか?」
「過去に発売したモデルの宣伝用なので、
そんなに残っていないかもしれません」
「あるだけで結構ですので、
何とかお願いいたします」
・・・ということで、
後日5本もらいました。
内視鏡を担当する職員に配ると、
大変喜ばれました。
オリンパスがこんな気の利いたことをするとは、
思ってもみませんでした。
ちょっとは見直しました。
実はこのボールペンをもらった時、
新しく購入した内視鏡システムより、
興奮度が高かったのでした(笑)