2016年1月27日
寒い日が続いております。
先週、今週と2度も雪が積もりました。
皆さんも通勤等大変ではなかったですか?
私は毎日6時半ごろに医院にやってきます。
医院までは4㎞ぐらい離れていますので、
いつもは自転車、天気の悪い日は車で来ています。
雪の降った2日は自転車も車もあきらめ、
安全のためにタクシーできました。
京都は大通り1本北に上がると様子が変わりますね。
鷹峯から来ている職員は、
雪が深いうえに坂が多いので、
途中で何台か立ち往生していたと言っていました。
最も危険なのは原付だと思います。
両足を地面に伸ばしながらふらふら運転されると、
周りの車までも迷惑しますね。
京都では年に数回の雪が積もりますが、
やはり慣れていない土地柄ですので、
私もあまり無理をしないようには心がけています。
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さて、
検診で行われることが多い便潜血検査について、
少しお話いたします。
当院では毎日午後から、
大腸カメラを行っておりますので、
検診の便潜血陽性の方がよく来られます。
便潜血検査は、
便に含まれる微量な血液を検査で調べています。
もちろん肉眼で見えないものも含まれます。
よく『私痔がありますので』と言われます。
確かに痔で出血などを経験する方は大変多く、
便潜血が痔から来ている可能性も十分あります。
しかし、
痔があるから大腸のポリープやがんが、
無いと言い切れるわけではありません。
便潜血検査は大雑把な検査です。
大腸カメラをしても出血の原因がわからない方も、
とても多くいらっしゃいます。
また小さなポリープが見つかっても、
それはたまたまできていただけで、
これが出血源ではないだろうということもあります。
逆に2回中1回が便潜血陽性でカメラをして、
大腸がんが見つかることだってあります。
この場合1回は便潜血陰性だったわけです。
何度も言いますが、便潜血検査は大雑把な検査です。
もし2回とも陰性に出れば、
この方の場合は大腸がんを見落とすことになります。
つまり大腸カメラをやってみないと何もわかりません。
便潜血検査は日ごろ受けない大腸カメラをうけるという、
きっかけを与えている意味もあると思います。
しかしながら私も含め、
消化器内科の専門医は、
あまり便潜血検査を勧めていないかもしれません。
便潜血検査は症状のない方が受けるものであり、
腹痛などで消化器内科受診された場合、
便潜血検査で評価することはあまりありません。
先ほど申し上げたように、
大腸がんがあっても、
陽性にならない可能性は十分あります。
この場合症状が優先されます。
もし便潜血を行って陰性になれば、
検査をするタイミングを逃すかもしれません。
そのため少しでも大腸がんを疑った場合は、
便潜血検査は省略し、
直接大腸カメラをお勧めすることが多いです。
ということで当院では(どこでもそうだと思いますが)、
『便潜血陽性』 → 『痔』は関係なし → 『大腸カメラ』
『症状有り』 → 『便潜血検査』省略 → 『大腸カメラ』 です。
毎年ひっかかり大腸カメラで検査されている方は、
前回の所見を参考にしますが、
ポリープなどがある場合は受けていただきます。
前回何もない場合には、
過去一度だけしか受けていない場合は、
念のためもう一度うけていただくことが多いです。
何度か受けていて今まで何もない方は、
前回の大腸カメラから1~2年ぐらいでしたら、
省略することもあります。
このあたりは担当する医師により、
多少違いがあるかもしれませんが、
あくまでも私の個人的な見解です。
ご参考になりましたでしょうか?
一番よくないのは便潜血陽性を、
検査をせずに放置することです。
大腸がんはかなり進行していない限り、
比較的治療しやすい癌のうちの一つです。
怖がらすに受けてくださいね。