2015年7月27日
梅雨も明け、
本格的な夏到来です。
お子様の夏休みに合わせ、
海や山に出かけられる方も多いと思いますが、
暑い日はあまり無理をせずお楽しみください。
当院は8月13日(木)から16日(日)まで、
夏期休診をいたします。
ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします。
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さて、
最近は大腸がんが多くなっていることもあり、
当院においても大腸カメラを希望される方が、
少しずつですが増えてきています。
しかしながら、
大腸カメラを喜んで受けにくる方は、
正直あまり多くありません。
それは大腸カメラは他の検査より、
何となく受けづらい検査だからかと思われます。
その理由の一つに準備の煩雑さがあります。
検査前日は検査食を食べていただき、
寝る前に下剤を飲んで、
当日朝は「ニフレック」という液体の下剤を飲みます。
そのニフレックが、
正直あまり飲みやすいものではありません。
「さわやかレモン味」と謳っていますが、
ポカリスエットよりは味は薄く、
かといってさっぱりもしていません。
メリハリのない中途半端な味で後味も悪く、
夏場は常温ではとても飲めません。
当院では氷とともにお出ししています。
一応ご説明しますと、
ニフレックはお水ではありません。
お水はどれだけ飲んでも、
多くは小腸や大腸で吸収されてしまうため、
腸管の中を洗い流してはくれません。
ニフレックにはポリエチレングリコールが含まれ、
その作用で腸管から吸収されずに排出されます。
そのため腸管内をきれいに洗い流すのです。
これを2L飲むのは大変で、
中には途中で気分が悪くなる方もおられ、
検査が受けられないということもあります。
そこで最近は(といっても2007年発売ですが)、
「ビジクリア」という錠剤があります。
これは腸管洗浄剤としては唯一の錠剤タイプになります。
錠剤を水やお茶で飲みますので、
ニフレックのように味が問題になることはありません。
ただし、1回5錠を200ml以上の水で飲み、
15分ごとに計10回服用します(合計50錠)。
大変といえば大変ですが、
今までどうしても味が苦痛だった方には、
ずいぶん楽になるかもれません。
当院でも最近、
ニフレックを飲めない方が来られたため、
置くことにしました。
効果はどうかと言いますと、
ニフレックと同じくらい便が流れ出て、
腸管はきれいになります。
しかし錠剤が一部解けずに残ったものが、
大量に腸管内にたまることがあります。
挿入の際にその残渣物が邪魔になることがあります。
残渣物は黄色のもろもろした、
カップヌードルのたまごのような物質で、
誰かが「ビジカス」と呼んでいました。
吸引で吸えるので検査は十分できますが、
内視鏡を挿入する際に大量の「ビジカス」に遭遇し、
行く手を阻まれることがあります。
検査する側としては、
ややうっとうしい存在かもしれません。
また錠剤はやや大きめで、
全部で50錠も飲まなくていけないので、
お歳を召した方には逆に苦痛かもしれません。
このような理由もあり、
現時点では液体の腸管洗浄剤が主流のようですが、
当院では今後患者様の好みで、
使い分けてみようと思っております。
皆さんもご希望の方がおられましたら、
検査の前におっしゃって下さい。
そしてまた感想をお聞かせください。