2015年6月17日
梅雨空のうっとうしい日が続いております。
皆様お変わりありませんか?
6月だというのに、先日近くの小学校で、
インフルエンザが散発的に流行し、
当院でも児童1名が陽性に出ました。
インフルエンザと言えば、
「気温の低い」「乾燥した空気」が、
キーワードだと思っておりましたが、
どうなっているのでしょうか?
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さてウイルス感染症と言えば、
お隣の韓国では、
MERSの感染が拡がっています。
医療機関には医師会を通じて、
MERS疑い患者への対応が、
日々メールやFAXで通知されています。
MERS感染を疑うべき患者さんとしては、
以下の項目に該当する方だそうです。
ア) 38度以上の発熱及び咳を伴う急性呼吸器症状を呈し、
・・・(省略)・・・
発症前14日以内に対象地域に
渡航、または居住していたもの
イ) 発熱を伴う急性呼吸器症状を呈するものであって、
発症14日以内に対象地域において、
医療機関を受診もしくは訪問したもの、
MERSであることが確定したものと接触歴あるもの、
又は、ヒトコブラクダとの濃厚な接触歴があるもの。
ウ)・・・MERSを疑う患者を診察、看護したもの、
同居したもの、体液等に触れたもの・・・
ということだそうです。
ヒトコブラクダとはどのように濃厚接触するのか、
習慣のない私にはよくわかりません。
医師会のメールにはこんなQ&Aがありました。
『 Q. 中東産のヒトコブラクダの食用肉を、中東以外の地域で
喫食した場合は、「ヒトコブラクダとの濃厚接触歴」と判断で
きますか?
A. ヒトコブラクダとの濃厚接触歴とは、未殺菌乳の喫食等を
想定しています。現在、非加熱の場合に、食用肉から感染する
リスクについては不明ですが、中東地域で喫食した場合は濃厚
接触として取り扱います。
また、中東以外の地域で喫食した場合は、濃厚接触歴とは扱い
ません。 』
ヒトコブラクダは食用なのですか?
私はもっとじゃれ合ったり、
ラクダに乗って旅をしたりというイメージでした。
と思いながら調べてみると、
◾2013年11月にサウジアラビアにおいて、
MERS-CoVに感染したヒトコブラクダとの濃厚な接触
(ラクダの世話や未殺菌のラクダ乳の喫食など)後に
発症した1症例が報告された。
という報告がありました。
要するにヒトコブラクダが、
MERSコロナウイルスを保有しており、
そこからヒトに感染するのが始まりで、
その後はヒトからヒトへ、
全世界で拡散する可能性があり、
今回の韓国での流行になるのでしょう。
ただし、
感染経路は、正確には分かっていないそうです。
それだけに注意するのも難しいですね。
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感染症は医療機関にとっては大きな問題です。
エボラの時もそうでしたが、
京都にはたくさんの旅行者、外国人が訪れます。
その人たちが発熱で受診された際には、
私たちが全く知らない、あるいは免疫のない、
感染症を持っているかもしれないのです。
医師、看護師は、医療従事者として、
専門的な知識とトレーニングをもとに、
このような危険と向き合うべき職業ですが、
受付の職員や看護助手さんなどは、
全くの一般の方々です。
その様な方が感染症にさらされる現場にいるのも、
非常に危険な仕事をしていることになります。
その方々の健康と安全をいかに保障するか、
これはとても重要なことだと思います。
なかなか終息しない韓国のMERS、
日本に入ってくるのも時間の問題かもしれません。
迅速かつ正確な情報を共有し、
感染拡大を防ぐ対策を行いたいものです。