2015年5月28日
春から一気に夏というような、
30度を超える暑い日が続く京都ですが、
皆様お変わり無いですか?
案外この時期風邪をひいたりすることもあり、
朝昼の寒暖差が原因かもしれません。
皆様も体調管理に注意されて下さい。
さて、前回の腸内細菌の話を引き継ぎ、
今回は『プロバイオティクス』についてお話します。
『プロバイオティクス』という言葉は、
あまり聞く機会はないと思いますが、
皆様はご存知でしたか?
●プロバイオティクスとは
「腸内フローラ(腸内菌叢)のバランスを改善することにより
人に有益な作用をもたらす生きた微生物」のことです。
(英国微生物学者Fullerによる1989年の定義)
お腹の腸内細菌のバランスを整え、
腸内の異常状態を改善し、
良い影響を与えてくれる生きた微生物のことです。
またその後、
“宿主に保健効果を示す生きた微生物を含む食品”
とやや限定して定義しているものもあります。
一般的にはヨーグルトや乳酸菌飲料がそれに当たります。
植物性乳酸菌でできるぬか漬け、納豆、味噌なども
意外にもプロバイオティクス食品です。
腸内細菌のバランスを保ち、
腸内環境を整えるのには、
プロバイオティクスを摂取することが有効です。
プロバイオティクスとして代表的なものが、
ヨーグルトに含まれるビフィズス菌などの乳酸菌です。
ただしすべての乳酸菌ではありません。
●プロバイオティクスの条件とは
① 安全であること
② 腸内フローラの一員であること
③ 胃液・胆汁に対して耐性を有すること
④ 生きているということ
⑤ ヒトに対して有効であり、腸管に付着すること
⑥ 食品中に高い菌数を維持すること
⑦ 安価であること
(光岡,2001)
以上のような条件を満たす菌種だけが、
プロバイオティクスと認められています。
いくら効果が高い菌でも、
胃酸で死滅するのであれば、
口からとっても意味がないですね。
また腸管に付着し増殖し、
効果を発揮することができるというプロセスも、
重要な条件の一つだといえます。
では実際はどのような商品が、
売られているのでしょうか?
良く知られているのは、
明治のブルガリアヨーグルトや、
森永のビヒダスヨーグルトでしょうか。
よく見かけるヨーグルトや乳酸菌製品は、
ほとんどがプロバイオティクスなのですね。
知らないうちに、
普段からお世話になっていたのです。
●どのような効果が期待できるのか
便秘や下痢といった腸内の症状のみならず、
最近はいろいろな効果がわかってきました。
主な効果を挙げてみましょう。
・便秘の予防と解消
・免疫力強化
・肌荒れ改善
・アトピー性皮膚炎の改善
・花粉症予防
・血糖値の上昇抑制
・高血圧の予防
・コレステロール値の低下作用
・胃がん予防
・大腸がん予防
・潰瘍性大腸炎の症状抑制
・口臭予防
・ダイエット
・ストレス緩和
ずいぶんたくさんの効果があるのですね。
乳酸菌の種類によって、
それぞれの特徴があるようです。
自分の症状に合わせて、
それを改善する乳酸菌株を含む、
乳酸菌製剤をとることがいいと思います。
●効果的な接種方法
ビオフェルミンやミヤBMなど、
薬として処方されるものは、
決められた用法容量通りに飲んでください。
ヨーグルトから摂る場合は、
毎日300g程度とされています。
便秘気味などの場合は少し多めにとります。
前回も述べたとおり、
腸内細菌の分布は個人差があります。
従って自分にとって効果的な菌と、
そうでもない菌もあるようです。
いくつかの種類を試すのがいいそうです。
一般的にヨーグルトなどに含まれる
乳酸菌やビフィズス菌は、
腸内に長く滞在することは出来ません。
ですので一度に大量ではなく、
毎日摂り続けることが大切です。
大体2週間ほど続けて効果を見てください。
胃酸による影響を避けるために、
胃液の薄まる食後に
摂取するのも効果的といわれています。
●市販の製品はお薬ではありませんので
皆様も下痢や便秘など、
お腹の調子が悪くなれば、
一度試して見られてはどうでしょうか。
ただし、病院でもらうようなお薬でない場合は、
即効性はあまり期待できません。
体質改善を目的に少し長い目で見ましょう。
乳酸菌について詳しく知りたい方は、
ご参考にされてはどうでしょうか?
「あなたの知らない乳酸菌力」
後藤利夫 著