京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院 京都市上京区
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ピロリ菌除菌後も胃カメラは必要です

2014年6月17日

梅雨の蒸し暑い日が続いております。
どんよりした毎日ですが、
あまり雨が降っていない気がします。

日曜日に鴨川を走りましたが、
鴨川は干からびていて、
淀んだところでは藻が発生していました。

皆さん、高温多湿、
脱水にお気を付け下さい。

さて、今日はピロリ菌の話です。

ピロリ菌の除菌が成功した患者さんから、
「もう胃カメラは受けなくてもいいのですか?」
とよくきかれます。

副作用がある除菌のお薬を飲んで、
ようやくピロリ菌がいなくなったのですから、
そのような気分になるのは当然です。

でも、厳密に言えば、
やはり1年に1回の割合で、
胃カメラが推奨されています。

それなら除菌してもしなくても、
結局年1回は胃カメラを受けなくてはならないし、
除菌した意味がないのでは、
と思われるかもしれません。

なぜ除菌しても胃カメラが必要なのでしょう。

まずはピロリ菌除菌の目的を思い出してください。
本当の目的は何でしょうか?

それは『胃がんの予防』です。

ピロリ菌に感染していると、
胃がんになりやすいことが
臨床研究で証明されています。

逆にピロリ菌がもとからいない方には、
胃がんになる確率はほぼゼロということも
分かっています。

それなのでピロリ菌がもとからいない方は、
少しくらい胃カメラを受けなくても大丈夫です。

またピロリ菌除菌をすれば、
胃がんの発生を抑えることができます。
(報告では1/3くらい?)

しかし、
ゼロにはなりません。

つまり発生率を下げるだけで、
やはり胃がんになりやすいことには、
変わりないのです。

それゆえに定期的な胃カメラは、
必要なのです。

最近ピロリ除菌後の方が、
胃がんで亡くなることが多く報告され、
問題視されています。

なぜでしょう?

ピロリ菌がいる方は胃がんのリスクが高いので、
必ず定期的に胃カメラを受けられます。
そのため見つかるときには、
早期胃がんで命に係わりません。

しかしピロリ除菌後には、
これで胃がんにはならないと勘違いされ、
定期的な検査をしなくなる方がおられます。

 

そのような方は、
具合が悪くなってから胃カメラを受けるので、
胃がんが見つかった時には進行がんの状態です。

つまり発生率は下がっているのですが、
進行がんで見つかることが多いため、
命に係わると考えられています。

医療者側は除菌が成功しても、
必ず定期的に胃カメラを受けるように、
患者様にお伝えしなくてはなりません。

 

同じ検査を受けるにしても、
がんができないに越したことはありません。
そのための除菌であることを忘れないでください。

ということで、
ピロリ除菌後も胃カメラは必要なのです。