京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院 京都市上京区
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8月より電子カルテを導入します

2013年7月17日

猛暑と激しい雷雨の毎日ですが、
皆さんは体調は大丈夫でしょうか?
早くも夏本番、例年より半月ほど前倒しですね。

当院に来られている高齢者の方も、
夏ばてで食欲が落ちたり、
そのために脱水気味になられたりしています。

熱中症に関しては、
必ずしも高齢者の方に起こるとは限りません。
蒸し暑い日中での作業時は十分気をつけて下さい。

ところで皆さんは、
「電子カルテ」という言葉をご存知でしょうか?
大きな病院ではほとんどが使っているシステムです。

病院での診療にはいくつかの業務があります。
それを全て電子化したものが電子カルテです。
・・・説明になってませんね。

 

では受診されたときを例に出して説明します。
まず患者様が来られると事務員はカルテを出して、
診察室に持っていきます。

診察した医師はカルテに所見を記載し、
採血やレントゲンなどを伝票に書きオーダーします。
看護師さんや技師さんはその伝票をもとに検査を行ないます。

そして必要なら点滴や処置を行い、
処方箋を書き診療がおわります。
カルテは会計へ渡ります。

最後に事務員は診療内容をチェックし、
レセプトコンピュータに入力を行ないます。
そして患者さんの会計を行ないます。

このようにひとつの診療に対し、
カルテが移動し、伝票が発生し、
最後に全ての診療に対する入力が必要になります。

 

そのような手間を省き、
受付、診察室、検査室を全てオンラインでつなぎ、
紙カルテ、伝票などを排除したものが電子カルテです。

受付や診察室にはパソコンの端末があり、
原則としてペーパーレスの状態となります。
カルテの記載もパソコンの入力となります。

持ち運ぶカルテがなくなり、
患者さんとともに移動することもなくなり、
時間と労力の削減につながります。

 

また伝票の入力など二度手間がなくなりますし、
伝票への書き間違え、読み間違えなどの
ヒューマンエラーも減らすことが出来ます。

カルテやフィルムなどを保管するスペースも必要なくなり、
特に導線の長い総合病院や、診療科の多いクリニックには
電子カルテの導入は大きなメリットがあります。

患者さんにとってのメリットといえば、
業務が簡略化され、
最終的には、待ち時間の短縮が期待できることです。

このようにいいことがたくさんありますが、
その反面困ったことも起こります。

システム障害が起こると、完全に診療がストップします。
それに一部がインターネットの環境とつながっているため、
個人情報の流出のリスクがゼロではありません。

また診察室では、患者さんのお話、診察所見など、
全てをパソコンに入力しなくてはならないため、
医療者はひたすらパソコンと向き合うことになりかねません。

 

特に大病院では、何時間も待たされた上、
医師は患者さんに顔をに向けることなく診療され、
診察を受ける側としては印象が悪いかもしれません。

効率を求めるが故の弊害というのでしょうか?
それでもメリットの方がずっと多いようですね。

当院は不幸中の幸いか、私も含め、
スタッフにパソコンが堪能でない者があまりにも多いため、
紙カルテを残すことになりました。

じゃ、電子カルテではないじゃん!
と思われるでしょうが、本当のところは、
各部署を結ぶ院内のネットワークの構築が目的で、
紙カルテをなくすことが目的ではありませんでした。

オーダーリングシステムとも言いますが、
電子カルテの一部を用いたシステムを導入するだけでも、
業務の効率化を図ることが期待できます。

皆さんには直接目に触れる部分ではありませんが、
わずかですが診察の待ち時間を減らし、
スムーズに検査・処置を行なえる環境を整えております。

 

将来的には、完全な電子化や、
予約システムなどと連携できれば、
サービスの向上につながるかと考えています。

ということで、
半年以上の準備期間を経て、
あと2週間で新しいシステムに変ります。

外注する検査会社も同時に変り、
実際やってみないとわからないようなトラブルや、
システムの不具合が出てくるかもしれません。

慣れるまでのしばらくの間は、
逆に時間がかかったり、簡単な事に手間取ったりして、
ご迷惑をおかけするかもしれません。

その際はどうかご容赦下さい。


因みに・・・、
私の記載するカルテの字は、
お世辞にもキレイとはいえません。

以前はそこそこ読める字でしたが、
最近では事務の人に、何て読むんですか?と、
きかれることも珍しくありません。

特に患者さんが何人か待っておられると、
あせって字が躍り、自分でも読めないほどです。
私はメンタルが弱いのです。

先日こんなことがありました。
大学生の女の子が風邪をひいて、
当院をはじめて受診されました。

私がカルテに所見を記載していたところ、
「先生、カルテは何語で書くのですか」と聞かれたので、
ぱっとカルテを見ると、なんと全部日本語でした。

英語やドイツ語などで書いていると期待されたのでしょう。
とても読めないような日本語を書いているとなると、
これは医師としての信用にかかわります。

あせった私は思わず答えました。
「スワヒリ語です。」

・・・辺りを重苦しい空気が包みました。

『字は心の鏡』と申します。
この事件以降、
私は真剣に書道教室に通おうか考えています。

 

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