2012年10月1日
前立腺は男性にのみ存在する臓器で、
膀胱の下で尿道を取り囲むように存在しています。
くるみ大ほどの大きさがあります。
わが国では前立腺がん患者は増加の一途で、
2020年には1995年の約6倍の罹患数となり、
増加率では男性のがんのダントツのトップです。
この増加する背景には、
前立腺がんは高齢者に多く見られること、
急激な高齢化社会になり増え続けています。
また、PSA(前立腺特異抗原)を測定するようになり、
早期の前立腺がんの発見率が向上したこともあります。
実際PSAの測定が始まってから、急激に増加しています。
つまり、患者さんの数自体が増えているのもありますが、
PSA測定により、今まで見つからなかったものが
見つかるようになっているのです。
米国では早い時期よりPSA測定による検診を推奨し、
PSA検診を受けている割合は、50歳以上で75%もあり、
日本の10%程度と比較し、はるかに高くなっています。
日本では増え続けている前立腺がんの死亡率も、
PSA測定で早期から治療を開始する米国では、
前立腺がんの死亡率は、もうすでに減少に転じています。
このようなことが背景となり、
日本でも健診でPSAが積極的に測定されるようになりました。
そして、ようやく京都市でも前立腺がん検診が始まりました。
<京都市前立腺がん検診実施要領>
対象:京都市内に住民登録・外国人登録のある
年内で50歳以上になる方。
・2年に1回受診。年内に偶数年齢になる方が
その年の対象。
・ただし、年内に奇数年齢なる方でも、
前年受診のない方は、受診可能。
・今年は1回目なので、50歳以上の方は
全員受けられます。
期間:平成24年10月から25年3月31日
平成25年度からは通年実施の予定
負担:1,500円(非課税世帯の方は800円)
以下の方は無料です。
70歳以上の方、後期高齢者医療保険加入者、
福祉医療費受給者、生活保護受給者、
中国残留邦人等で支援給付の需給者
方法:PSA検査(血液検査)
PSAを測定し、4.0ng/ml以上であるか、
上昇傾向にある方は癌が疑われます。
その時は泌尿器科の専門医の診察を受けていただきます。
前立腺がんは65歳以上から、胃癌を抜いて
患者数ではトップに立ちます。
PSA測定により早期がんを見つけることが大切です。
前立腺がんと前立腺肥大症は別物です。
特に尿の出に問題がなくても、チェックは必要です。
かかりつけの医師と相談しましょう。
今回の健診では70歳以上になると無料でできます。
もちろんそれ以下の方でも検査は必要ですが、
より積極的に受けられてはどうでしょうか?