2012年9月5日
当院は平成24年9月1日より、
近畿厚生局の施設基準の認可を受け、
保険診療による禁煙治療を開始しました。
禁煙治療は、以前は自由診療のみで、
治療を受けるには全額自己負担でした。
5年前に保険適用が認められました。
これにより、多くの患者様は
3割負担で治療を受けられるようになりました。
3ヶ月の治療期間で、
かかる費用は3割負担で2万円弱となっています。
全額負担ですと6万円以上かかります。
1日1箱として、1ヶ月のタバコ代は約12000円です。
禁煙治療にかかる費用は、タバコ代2か月分以下です。
禁煙できれば、2ヵ月後からは貯金ができます。
でも、良くご存知のとおり、
お金の問題ではありません。
何より、将来にかかるかもしれない、
肺癌をはじめ、食道癌、喉頭癌、胃癌、膀胱癌などなど、
さまざまな癌のリスクを下げることができます。
また、動脈硬化の進行が改善され、
心筋梗塞や脳卒中といった、突然命にかかわる病気の
リスクを下げることができます。
ほかに、喫煙はCOPDという病気をひき起こします。
肺胞が破壊され呼吸困難となり、将来酸素が必要となります。
原因の90%以上は喫煙とされ、別名は「タバコ肺」といいます。
と、禁煙に伴うメリットはこの上ないのですが、
分かってはいるけどやめられないし、
やめられる自信も起こらないのがタバコです。
私も大変恥ずかしいのですが、2007年3月28日まで、
1日1箱の一般的な喫煙者(愛煙家)でした。
突然衝動に駆られ、その日を最後にやめました。
私がやめたいと思った衝動は、タバコのせいで、
部屋はほこりっぽく汚れ、息はタバコの灰のような匂いがし、
いちいち仕事を中断しなくてはならないストレスから生じました。
私は禁煙治療は受けずに禁煙しましたが、
最初の3日間はとてもしんどかった覚えがあります。
職場の人に気づかれない程度に、仕事をサボりました。
それを越えれば、1週間、1ヶ月となんとなく過ぎてゆき、
半年、1年とたてば、もう大丈夫と思いました。
最初の1週間、特に3日間が山でした。
このように、タバコをやめるには覚悟が必要ですが、
根性だけでは止められないかもしれません。
「ニコチン依存症」という病気になっているからです。
病気である以上は、気合とか根性などでなく、
科学的に有効な治療をしなければなりません。
禁煙治療を受ければ、この依存症から離脱は、
精神的、肉体的に楽に乗り越えられるのだろうと思います。
今はニコチンパッチに加え飲み薬もあります。
タバコ代は最近ずいぶん高騰し、
喫煙場所も徐々に限られたことで、
喫煙しようにもかなり気を遣うのではないでしょうか。
吸うのにストレスを感じるなら吸う意味がありません。
また、健康面、経済面だけでなく、
家族にとっても受動喫煙は有害となります。
もしタバコとの付き合いに
疑問を感じている方がおられましたら、
一度ご相談下さい。
「タバコを止めて新しい自分になる」という勇気を、
当院スタッフは応援いたします。