京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院 京都市上京区
診療時間 午前9時~/夜診17時~
婦人科は夜診なし
休診日 木・日・祝/土(午後)
  • お問い合わせ

    075-451-0164

内痔核硬化療法(ジオン注、ALTA療法)

2012年8月29日

肛門疾患は大きく分けて

① 内痔核
② 外痔核
③ 裂肛
④ 痔瘻

に分けられ、この4種類で大半を占めます。

①の内痔核に対しする治療としては、
これまでは手術で切除するのが一般的でしたが、
最近では切らずに治すことができます。

内痔核は肛門より内側、
直腸下端の粘膜がはれて出血する、
内側のいぼ痔のことです。

直腸には痛みを感じる神経が走ってないので、
痛みはあまりなく、出血や脱出が主な症状です。

初期には軟膏治療しますが、
大きくなってきて、肛門から出たり入ったり
するようになると何らかの処置が必要です。

従来の痔を切る手術は、通常入院で行い、
術後も切った場所の痛みを伴いますが、
注射による硬化療法はそれら負担が軽いのが特徴です。

肛門から肛門鏡という簡単な器具を挿入し、
内痔核の腫れている部分、出血部位に、
痔を固める注射をします。

この治療は、分かりやすく言いますと
腫れて粘膜がたれさっがっているところに、
アロンアルファのような接着剤を注射するようなものです。

注射した場所で、強い炎症反応が生じ、
患部へ流入する血管がつぶれ血行が遮断されます。
それで腫れて大きくなっていた痔核が縮小します。

また、垂れ下がって肛門から出ていたところも、
本来の位置で接着剤のように固定されるので、
肛門からの脱出もなくなります。

この内痔核硬化療法は、当院では日帰りで
受けていただいております。
手術中や手術後の痛みも軽いのが特徴です。

ただし、外痔核が大きいもの、
内痔核が飛び出して戻らない(嵌頓痔核)などは、
適応外のこともあり、慎重な見極めも必要です。

また出血が多い方は、年齢などを考慮し、
直腸がんの有無などを事前に調べる必要もあります。
痔以外の病気の可能性もあり、注意が必要です。

診察はいつでも行なっておりますので、
ご都合の良いときに当院外来を受診してください。


ちなみにですが、
「内痔核硬化療法」は治療法の名前、
「ジオン注」は硬化療法に使用する注射薬の商品名です。

また「ALTA療法」は、ジオン注に含まれる、
アルミニウムカリウム・タンニン酸の頭文字をとって
名づけられた、この薬剤を用いた硬化療法の名称です。