2012年4月12日
当院では平成24年2月より、
自費診療によるピロリ菌検査、除菌を始めました。
ピロリ菌の検査、除菌治療を受けるには、
現在の保険適応では、
①胃潰瘍、十二指腸潰瘍
②胃MALTリンパ腫
③特発性血小板減少性紫斑病
④早期胃癌に対する内視鏡的治療後
となっております。
すなわち、単にピロリ菌が感染しているだけでは、
潰瘍や癌がなければ、除菌の適応にはなりません。
しかし、ピロリ菌は胃がんと密接な関係があり、
除菌により胃がんの発生が少なくなると報告されています。
最近では健診などでピロリ菌の感染を調べることもあるのですが、
陽性であっても、保険が効かないために除菌できない、
あるいは、自費診療を行っていない施設も多く、
除菌治療を希望されても、結局受けられない状況が起きていました。
当院ではそのようなご要望に対応するため、
上記の除菌保険対象外の患者様に対し、
自費診療で、検査、除菌治療を受けていただくこととしました。
いくつかのパターンがあります。
1) ピロリ菌がいるかどうか分からない方。
2) 健診などでピロリ菌がいると分かっている方。
1) のかたは、まずいるかどうかの検査を行います。
ピロリ菌の血中抗体測定、または
便中抗原検査を行い、陽性であれば除菌します。
もし陰性であれば、ピロリ菌感染は無しとして、終了とする場合と、
さらに厳密にするには、尿素呼気テストという違う検査をし、
陰性であれば、やはりピロリ菌感染は無しということになり終了、
陽性であれば、ピロリ菌がいると考え除菌する場合とがあります。
これはどの検査も100%正確な判定が出ないことが分かっており、
本当はピロリ菌がいるのに陰性と判定される、
偽陰性が出る可能性があるからです。
精度が90%くらいの検査では、陰性と判定された10人に1人は
ピロリ菌陽性の方が存在することになります。
陰性と出た場合は、厳密には違う別の検査法で、
陰性を確認しておけば、より確実な診断が可能となります。
陽性と診断された方はまず間違いなく陽性ですので、
1度の検査で判定できます。
2) のかたは、すぐに除菌を開始します。
除菌の方法は、抗生剤と胃酸分泌を抑える薬の
1週間連続の内服です。
1回目の除菌で約70%が除菌に成功します。
でも30%ほどの方は菌が残ってしまいますので、
2回目の除菌治療を行います。
2回目の除菌では抗生剤の種類を一部変えて行います。
2回目でさらに80%以上の除菌率がありますので、
計2回治療すると除菌治療を行った方全体の
90%以上の除菌が得られると考えられています。
大体の費用は以下のとおりです。
1) ピロリ菌がいるかどうか分からない方。
①2種類の検査で
ピロリ菌の存在が確認されなかった場合・・・約13000円
②ピロリ菌の存在が確認され、除菌した場合。
1回目の除菌が成功した場合・・・約25000-30000円
(お薬代込み)
2回目の除菌を必要とした場合・・・約40000-45000円
(お薬代込み)
2) ピロリ菌がいることが分かっている方。
(すぐ除菌治療に入る方)
1回目の除菌が成功した場合・・・約20000円
(お薬代込み)
2回目の除菌を必要とした場合・・・約38000円
(お薬代込み)
当院はかかった医療費の10割をご負担いただいております。
治療内容は通常の保険診療される方と同じになっております。
記載いたしました費用はおおよそのもので、
診療回数や個別の内容につき、多少増減することがりますが
ご容赦ください。
ご相談はいつでもお受けいたしておりますので、
お電話していただくか、外来受診なさってください。
京都市 内科 吉岡医院 吉岡幹博
※ 2013年のピロリ菌除菌の保険診療が慢性胃炎に拡大されたことを受け、
現在は当院で自費治療は行っておりません。
ピロリ菌除菌自費診療