京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院 京都市上京区
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胃カメラで見つける喉頭がん、咽頭がん

2011年10月30日

先日、10月20日(木)~10月23日(日)に
「日本消化器関連学会週間」という学会が福岡でありました。
私は土曜日の外来終了後、新幹線で福岡に行き、
日曜日だけ参加しました。

文字通り、消化器内科、外科の専門の医師が
約2万人集まる、とっても大きな学会です。
参加すると、いろいろ知った人に出会えます。

また、最先端の公演や討論を聞くことができ、とてもinspireされるため、
ふと、自分が賢くなった気になり、
明日からの医療にやる気がみなぎるという効果も得られます。


さて、本題ですが、
胃カメラの進歩に伴い、最近は耳鼻科の領域である、「のど」にできる
喉頭がん、咽頭がんがよく見つかるようになりました。

耳鼻科でも鼻から細いカメラを入れて、のどを観察します。
しかし、消化器で使用する胃カメラや大腸カメラは、
独自で圧倒的な進化を遂げ、
今までは見えなかった病変まで、見つけだすことに成功しました。

そのため、耳鼻科では見つからないのどの癌が、
胃カメラで多数見つかるようになり、
そして今では、本来は守備範囲外であるのどの病気まで、
胃カメラの時に詳しくチェックしなければならなくなりました。

10年前なら、素通りしていたところです。
それを今や、見つけなければ「見落とし」といわれるほどです。

先日、中国で
2歳の女の子のひき逃げを見て見ぬふりをするニュースがありましたが、
そんなレベルではありません。
しっかり助けた上で、犯人まで探し出さなくてはならない感じです。

innovationは時に医師の負担を大きくします。

光の波長を変えて、
本来なら見えてない病変を浮かび上がらせるNBI画像や、
赤血球の流れまで見えるといわれる拡大内視鏡を用いて、
大学病院などでは、胃カメラの際、
約3分間ものどの観察を行ってから、食道に入れるそうです。

ただし、全員にそのようなことは行いません。
喉頭がん、咽頭がんはどのような人にできやすいか、
ある程度わかっているからです。

それは食道がんのリスクファクターとほぼ同じで、
男性、アルコールが多い、タバコを吸うなどです。
あと、60歳以上というのも報告されていた気がします。

つまり、30代のお酒もタバコもやらない女性などに、
のどを必死になってみる必要は全くないということです。

私が使用する内視鏡は、拡大機能はありませんが、
ハイビジョンが搭載されているもので、少し太いです。
さらに、要求されるレベルは年々高くなりますので、
検査全体の時間も長くなります。

そういう意味では患者さんの負担を軽減するために
眠くなる麻酔を用いることも必要と思います。
今回の学会で報告していた大学病院などでもよく使われていました。

私は今までものどの観察を行っておりましたが、
このたび学会で教えていただいた情報や報告をもとに、
可能な限り、精度の高い検査を行いたいと思ったところです!
(↑今回inspireされたところ)


福岡の夜は賑やかです。
繁華街を歩くと何人かの有名な先生方を見かけました。
私も久しぶりに再会した先生と何軒かハシゴし、
喉頭、咽頭がんのハイリスク群の仲間入りを果たしました。