2011年6月9日
先日ホテルで講演会のあと立食形式で食事会がありました。
肉料理や魚料理、揚げ物など豪華な反面、油ものも多くカロリーは高そうな内容でした。
その時隣で並んでいた60歳くらいの男性が、
「尿酸が高い人はどれを食べたらいいのだろう・・・」と独り言?のような感じで僕に話しかけました。
確かにどれもよくなさそうなメニューだったので
「野菜以外はあまりないですね」といって、ごまかしました。
ごまかしたというのは、恥ずかしながら尿酸値の上がる食事とそうでない食事を十分認識していなかったからです。
健診で尿酸が高いといわれた方も多いと思います。
でも糖尿病や脂質異常症の患者さんほど、食べ物に気を遣う方は少ないように思います。
尿酸はプリン体として体外から取り込みます。食品中のプリン体は細胞中に存在しておりほとんどの食事に含まれています。プリン体の含まれる量は以下のとおりです。
<プリン体の多い食品と少ない食品(mg/100g)>
極めて多い (300mg〜)
鶏レバー、マイワシ干物、イサキ白子、あんこう肝酒蒸し、鰹節、煮干し、干し椎茸
多い (200〜300mg)
豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、大正エビ、マアジ干物、さんま干物
少ない (50〜100mg)
ウナギ、ワカサギ、豚ロース、豚バラ、牛肩ロース、牛肩バラ、牛タン、マトン、ボンレスハム、プレスハム、ベーコン、ツミレ、ほうれん草、カリフラワー
極めて少ない (〜50mg)
コンビーフ、魚肉ソーセージ、かまぼこ、焼きちくわ、さつま揚げ、カズノコ、スジコ、ウインナソーセージ、豆腐、牛乳、チーズ、バター、鶏卵、とうもろこし、じゃがいも、さつまいも、米飯、パン、うどん、そば、果物、キャベツ、トマト、にんじん、大根、白菜、ひじき、わかめ、こんぶ
(総プリン体量:高尿酸血症・痛風のガイドライン 2002年版)
なかなか、複雑ですね。
動物の内臓、魚の干物が高いのは知っておいた方が良さそうです。
プリン体の多い食事は一般的においしいものが多いので、プリン体を意識しすぎると食事内容がつまらなくなるそうです。
結局はたくさん食べ過ぎないことが大切かと思われます。
そしてアルコールでは、ビールにはプリン体がたくさん含まれています。ワインなどには少ないので、ビールからほかのアルコール飲料に変更するのは良いそうです。ただし飲酒量によっては血清尿酸値の上昇を招くので、プリン体が少ないものでも控えめにしましょう。
休肝日は週2日、とも言われています。
私自身も、健康を維持するのと日々の幸せを求める葛藤は当分続きそうです。